土量変化率(ほぐし率L・締固め率C) 早見表
掘った土はふくらみ、締め固めると縮みます。その割合がほぐし率Lと締固め率Cで、砂質土(普通土)ならL=1.20・C=0.90。国土交通省の積算基準の標準値を土質別に並べ、盛土・残土の換算表をまとめました。
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このページについて
地山(掘る前の自然の地盤)の土は、掘るとすき間が増えてふくらみ、ローラーなどで締め固めるとすき間が減ります。体積の比をほぐし率L(ほぐした土量÷地山の土量)、締固め率C(締固め後の土量÷地山の土量)と呼び、切土・盛土・運搬の土量計算に使います。表の値は国土交通省の積算基準で標準とされている値です。
表1: 土質ごとの土量変化率 L・C
| 主要区分 | 分類名称 | 記号 統一分類 | L ほぐし | C 締固め | どんな土か(目安) |
|---|---|---|---|---|---|
| レキ質土 | レキ | (GW)(GP)(GPs)(G−M)(G−C) | 1.20 | 0.95 | 礫が混じり、掘削の能率が落ちる土 |
| レキ質土 | レキ質土 | (GM)(GC)(GO) | 1.20 | 0.90 | 同上(礫の多い砂・砂質土・粘性土) |
| 砂質土及び砂 | 砂 | (SW)(SP)(SPu)(S−M)(S−C)(S−V) | 1.20 | 0.95 | バケットに山盛りにしにくい砂(海岸砂丘の砂など) |
| 砂質土及び砂 | 砂質土(普通土) | (SM)(SC)(SV) | 1.20 | 0.90 | 掘りやすく山盛りにしやすい土(マサ土、条件の良いロームなど) |
| 粘性土 | 粘性土 | (ML)(CL)(OL) | 1.30 | 0.90 | バケットに付着しやすく、すき間の多い状態になりやすい土 |
| 粘性土 | 高含水比粘性土 | (MH)(CH) | 1.25 | 0.90 | 付着しやすく、特に重機の走行性(トラフィカビリティ)が悪い土 |
| 岩塊・玉石 | — | 1.20 | 1.00 | 粒径7.5cm以上の岩塊・玉石が混じり、掘削しにくいもの | |
| 軟岩Ⅰ | — | 1.30 | 1.15 | 固結の弱い第三紀の岩、風化してきわめてもろい岩など(軟岩Ⅰ・Ⅱの地山弾性波速度700〜2800m/s) | |
| 軟岩Ⅱ | — | 1.50 | 1.20 | 凝灰質で堅く固結した岩など | |
| 中硬岩 | — | 1.60 | 1.25 | 石灰岩・多孔質安山岩など、相当の固さがある岩(地山弾性波速度2000〜4000m/s) | |
| 硬岩Ⅰ | — | 1.65 | 1.40 | 花崗岩・結晶片岩などで変化していない岩(地山弾性波速度3000m/s以上) | |
国土交通省 中国地方整備局「土木工事設計マニュアル」(令和8年4月)表2-1-3(出典として土木工事標準積算基準書を明記)。国土交通省「施工パッケージ型積算基準」表2.1と同じ値です。L・Cは体積(土量)から求めた値です。「どんな土か」は、同マニュアルが国土交通省土木工事共通仕様書から載せている土・岩の分類の説明を短く言い換えたものです。硬岩Ⅱの値は表にありません。
表2: 100m³あたりの換算(計算値)
| 分類名称 | 地山100m³を ほぐすと ×L | 地山100m³を 締め固めると ×C | 盛土100m³に 必要な地山 ÷C | 盛土100m³に 必要なほぐし土 ×L/C | ほぐし土100m³を 締め固めると ×C/L |
|---|---|---|---|---|---|
| レキ | 120.0 | 95.0 | 105.3 | 126.3 | 79.2 |
| レキ質土 | 120.0 | 90.0 | 111.1 | 133.3 | 75.0 |
| 砂 | 120.0 | 95.0 | 105.3 | 126.3 | 79.2 |
| 砂質土(普通土) | 120.0 | 90.0 | 111.1 | 133.3 | 75.0 |
| 粘性土 | 130.0 | 90.0 | 111.1 | 144.4 | 69.2 |
| 高含水比粘性土 | 125.0 | 90.0 | 111.1 | 138.9 | 72.0 |
| 岩塊・玉石 | 120.0 | 100.0 | 100.0 | 120.0 | 83.3 |
| 軟岩Ⅰ | 130.0 | 115.0 | 87.0 | 113.0 | 88.5 |
| 軟岩Ⅱ | 150.0 | 120.0 | 83.3 | 125.0 | 80.0 |
| 中硬岩 | 160.0 | 125.0 | 80.0 | 128.0 | 78.1 |
| 硬岩Ⅰ | 165.0 | 140.0 | 71.4 | 117.9 | 84.8 |
単位はm³。表1のL・Cから当サイトが計算し、小数第1位(0.1m³)に四捨五入しています。「盛土」は締固め後の土量(出来上がりの盛土量)、「ほぐし土」は運搬する土量です。
表3: 土質を細かく分けにくいとき
| 主要区分 | L | C | 1/C 締固め後→地山 | L/C 締固め後→ほぐし |
|---|---|---|---|---|
| レキ質土 | 1.20 | 0.90 | 1.11 | 1.33 |
| 砂質土及び砂 | 1.20 | 0.90 | 1.11 | 1.33 |
| 粘性土 | 1.25 | 0.90 | 1.11 | 1.39 |
土木工事設計マニュアル 表2-1-4。統一分類で細分しにくいときは、表1の代わりにこの表を使ってよいとされています。1/C・L/Cの列は施工パッケージ型積算基準 表2.2の値です(小数第2位まで)。
表4: どの係数を掛けるか(換算の考え方)
| 手元の土量 \ 求めたい土量 | 地山の土量 | ほぐした土量 | 締め固めた土量 |
|---|---|---|---|
| 地山の土量 掘削する量 | 1 | L | C |
| ほぐした土量 運搬する量 | 1/L | 1 | C/L |
| 締固め後の土量 出来上がりの盛土量 | 1/C | L/C | 1 |
土木工事設計マニュアル 表2-1-5。手元の土量に表の係数を掛けると、求めたい状態の土量になります。求める量と手元の量が同じ状態なら係数は1です。
使い方
- 扱う土を表1の分類名称に当てはめます(細かく分けにくければ表3)。
- 手元の土量がどの状態(地山・ほぐし・締固め後)かを決め、表4の係数を掛けます。
- 例: 砂質土(普通土)の切土1,000m³を盛土に使うと、運ぶ土量は1,000×1.20=1,200m³、出来上がる盛土は1,000×0.90=900m³です。
間違えやすいポイント
- Cを掛けるか割るかを逆にする — 地山から盛土量を出すときは×C、盛土量から必要な地山を出すときは÷C(×1/C)です。
- 運搬量を地山の量で見積もる — ダンプで運ぶのはほぐした土量(地山×L)です。砂質土なら地山の1.2倍になります。
- 岩も締め固めれば元より減ると思う — 表の岩(軟岩Ⅰ〜硬岩Ⅰ)はCが1を超え、締め固めた後も地山より体積が大きくなります。岩塊・玉石はC=1.00です。
- 標準値を実測より優先する — 表は標準値です。試験や過去の実績で値がはっきりしている場合は、その値をできるだけ使うこととされています。
- 転石まじりの土に表の値をそのまま使う — 転石・玉石まじりの土砂は、転石をC=1.0として平均の変化率を求めます。岩砕と土砂を流用する工事では変化率を補正します。
よくある質問
Q1. 土量変化率のLとCとは?
A. L=ほぐした土量÷地山の土量、C=締固め後の土量÷地山の土量です。ほぐした土量は運搬する量、締固め後の土量は出来上がりの盛土量です。
Q2. 砂質土の土量変化率は?
A. 砂質土(普通土)はL=1.20・C=0.90、砂はL=1.20・C=0.95です。
Q3. 盛土に必要な土の量はどう計算する?
A. 地山=盛土量÷C、運ぶ土=盛土量×L/Cです。砂質土なら盛土100m³に地山約111.1m³・ほぐし土約133.3m³です。
Q4. 掘った土(残土)はどれだけ増える?
A. 地山×Lです。砂質土で1.2倍、粘性土で1.3倍です。
Q5. 岩の締固め率Cが1より大きいのはなぜ?
A. 表では軟岩Ⅰ〜硬岩ⅠのCが1を超え、硬岩ⅠはC=1.40で、締め固めても地山の1.4倍の体積です。理由は資料に書かれていませんが、一般に、砕いた岩の塊の間のすき間が残るためと考えられます(当サイトによる説明)。
Q6. 土質が細かく分けられないときの土量変化率は?
A. レキ質土・砂質土及び砂はL=1.20・C=0.90、粘性土はL=1.25・C=0.90です。
Q7. 表の土量変化率はそのまま使ってよい?
A. 標準値です。試験や実績の値がある場合はそちらを優先します。転石はC=1.0として平均を求めます。
関連する早見表
出典・参考
- 国土交通省 中国地方整備局「土木工事設計マニュアル」令和8年4月 — 第1編 共通編 第2章 土工 第1節 1-3 土量の変化率(表2-1-3・表2-1-4・表2-1-5、p.1-2-3〜1-2-4。表2-1-3は土木工事標準積算基準書による旨の記載あり)、1-1 土の分類(表2-1-1)・1-2 岩の分類(表2-1-2、国土交通省土木工事共通仕様書による)。PDF
- 国土交通省「施工パッケージ型積算基準」(平成28年10月1日以降に入札書提出期限日を設定している工事から適用) — 1章 土工 ①土量変化率 1.土量の変化・2.土量変化率(表2.1・表2.2)。値の照合と1/C・L/Cに使用。PDF
※ 表1・表3のL・Cは、中国地方整備局のマニュアル(令和8年4月)と国土交通省本省の施工パッケージ型積算基準(平成28年10月版)で同じ値であることを確認しています。表2は当サイトがL・Cから計算した値です(0.1m³単位に四捨五入)。
※ 本ページの数値は2026年10月時点で確認した出典にもとづきます。改正・改定されることがあるため、最新の原典を確認してください。
※ 表の値は積算・設計に用いる標準値で、実際の土の変化率は土質や含水比、締固めの方法によって変わります。土量の配分計画・設計・積算の判断は、発注者の基準や土質試験の結果を確認し、有資格者の確認のうえで行ってください。
※ 本ページの表・数値は、上記の出典をもとに当サイトが計算・編集(加工)して作成したものです。出典元の機関・団体が作成したものではありません。
最終更新: 2026-10-07