型枠の存置期間早見表|せき板・支柱の存置日数(建設省告示110号)
型枠のばらしは建築物の部分 × セメントの種類 × 存置期間中の平均気温の3つで決まります。普通セメント・15℃以上なら、柱や壁のせき板は3日、版下・はり下は6日、はり下の支柱は28日。告示の別表をそのまま引ける形にしました。
🧱 型枠存置 判断即答ボックス
このページについて
型枠をいつ外せるかは、現場の段取りを決める数字であると同時に、建築基準法施行令第76条にもとづく法定の基準です。具体的な日数は昭和46年建設省告示第110号の別表に、建築物の部分 × セメントの種類 × 存置期間中の平均気温の3軸で定められています。ここでは告示の別表をそのまま引ける形に並べました。実際のばらしの可否は、現場の管理技術者と監理者の判断、および特記仕様書によってください。
表1: せき板 — 基礎・はり側・柱・壁(圧縮強度5N/mm²)
| セメントの種類 | 平均気温 15℃以上 | 15℃未満 5℃以上 | 5℃未満 |
|---|---|---|---|
| 早強ポルトランドセメント | 2日 | 3日 | 5日 |
| 普通ポルトランドセメント/高炉A種/フライアッシュA種/シリカA種 | 3日 | 5日 | 8日 |
| 高炉B種/フライアッシュB種/シリカB種 | 5日 | 7日 | 10日 |
| 中庸熱/低熱ポルトランド/高炉C種/フライアッシュC種/シリカC種 | 6日 | 8日 | 12日 |
※ 上の日数を経過するまで、またはコンクリートの圧縮強度が5N/mm²以上になるまで取り外さないこと(告示 第一の一号)。強度で判断する場合は、JIS A 1108による圧縮強度試験(現場水中養生・現場封かん養生等の供試体に限る)か、告示に示された推定式によります。
表2: せき板 — 版下(スラブ下)及びはり下(設計基準強度の50%)
| セメントの種類 | 平均気温 15℃以上 | 15℃未満 5℃以上 | 5℃未満 |
|---|---|---|---|
| 早強ポルトランドセメント | 4日 | 6日 | 10日 |
| 普通ポルトランドセメント/高炉A種/フライアッシュA種/シリカA種 | 6日 | 10日 | 16日 |
| 中庸熱/高炉B種/高炉C種/フライアッシュB種/フライアッシュC種/シリカB種/シリカC種 | 8日 | 12日 | 18日 |
| 低熱ポルトランドセメント | 10日 | 15日 | 21日 |
※ 強度で判断する場合は設計基準強度の50%以上。表1(基礎・はり側・柱・壁)より長くなるのは、版下・はり下のせき板が自重を受ける位置にあるためです。セメントの区分けも表1と異なる(中庸熱と低熱が別の行になる)ので、読み替えに注意してください。
表3: 支柱(サポート)の存置日数
| 部分 | セメントの種類 | 15℃以上 | 15℃未満 5℃以上 | 5℃未満 | 強度の基準 |
|---|---|---|---|---|---|
| 版下 | 早強ポルトランドセメント | 8日 | 12日 | 15日 | 設計基準強度の85% |
| 普通ポルトランドセメント/高炉A種/フライアッシュA種/シリカA種 | 17日 | 25日 | 28日 | ||
| 中庸熱/低熱/高炉B種/高炉C種/フライアッシュB種・C種/シリカB種・C種 | 28日 | ||||
| はり下 | すべてのセメント (普通・早強・中庸熱・低熱・高炉・フライアッシュ・シリカ) | 28日 | 設計基準強度の100% | ||
※ はり下の支柱は気温にかかわらず28日、強度は設計基準強度の100%が必要です。ただし告示の第一の二号ただし書きにより、強度が(は)欄の値以上または12N/mm²(軽量骨材使用時は9N/mm²)以上であり、かつ施工中の荷重・外力で著しい変形や亀裂が生じないことが構造計算で確かめられた場合は、この限りではありません。
日数と強度は「どちらか」で判断できる
告示の構成は、せき板については「別表の存置日数以上経過するまで」または「圧縮強度が別表の値以上になるまで」取り外さないこと、というかたちになっています。つまり、冬場で日数が伸びていても、強度が確認できれば早く外せる余地があります。
強度の確認方法は2つ。ひとつはJIS A 1108(コンクリートの圧縮強度試験方法)による試験で、供試体が現場水中養生・現場封かん養生またはこれらに類する養生を行ったものである場合に限られます。もうひとつは告示に示された推定式で、セメントの種類に応じた係数s(普通0.31・早強0.21・中庸熱0.60・低熱1.06・高炉B種およびC種0.54・フライアッシュB種およびC種0.58)と、温度から求めた有効材齢を使って圧縮強度を計算します。
支柱については、日数ではなくコア供試体(JIS A 1107)による確認も認められています。コンクリートの配合そのものはコンクリート配合、鉄筋は鉄筋規格で確認できます。
支柱の盛りかえのルール
告示の第二は、支柱の盛りかえ(いったん外して入れ替える作業)について5つの条件を定めています。
- 大ばりの支柱の盛りかえは行わない
- 直上階に著しく大きい積載荷重がある場合は、支柱の盛りかえを行わない
- 養生中のコンクリートに有害な影響をもたらすおそれのある振動・衝撃を与えないように行う
- 逐次行うものとし、同時に多数の支柱について行わない
- 盛りかえ後の支柱の頂部には、十分な厚さ及び大きさを有する受板・角材などを配置する
間違えやすいポイント
- 「型枠は3日で外せる」と一律に覚える — 3日は普通セメント・平均気温15℃以上・基礎/はり側/柱/壁のせき板の場合だけです。
- 版下・はり下を柱・壁と同じ表で読む — 版下・はり下のせき板は別表で、普通セメント15℃以上なら6日です。
- 支柱もせき板と同じ日数だと思う — 版下の支柱は普通セメントで17日、はり下は28日です。
- 気温を当日の気温で見る — 判定は存置期間中の平均気温です。
- 高炉セメントのA種とB種を区別しない — A種は普通セメントと同じ行、B種は1段階長い行になります。
よくある質問
Q1. 型枠は何日で外せる?
A. 部分・セメント・平均気温で変わります。柱・壁のせき板は普通セメントで15℃以上3日/5〜15℃5日/5℃未満8日、早強なら2/3/5日。版下・はり下は普通セメント15℃以上で6日です。
Q2. 支柱(サポート)はいつ外せる?
A. 版下は普通セメントで17日/25日/28日(早強は8/12/15日)、はり下は気温によらず28日。強度基準は版下85%・はり下100%です。
Q3. 日数を待たずに型枠を外す方法はある?
A. あります。告示は「日数または強度」としており、圧縮強度が基準に達すれば取り外せます。JIS A 1108の試験(現場養生の供試体)、告示の推定式、支柱ではJIS A 1107のコア試験によります。
Q4. せき板を外すのに必要な圧縮強度は?
A. 柱・壁等は5N/mm²以上、版下・はり下は設計基準強度の50%。支柱は版下85%・はり下100%です。支柱には12N/mm²(軽量骨材は9N/mm²)+構造計算による例外規定もあります。
Q5. 高炉セメントB種だと型枠を長く置く必要がある?
A. はい。柱・壁等のせき板で高炉A種は普通と同じ3/5/8日ですが、B種は5/7/10日、C種と中庸熱・低熱は6/8/12日と段階的に長くなります。
Q6. 気温はいつの気温で判断する?
A. 存置期間中の平均気温です。区分は15℃以上/15℃未満5℃以上/5℃未満の3つ。打設当日や最高気温ではありません。
Q7. 支柱の盛りかえで気をつけることは?
A. 告示第二に5項目あります。大ばりの支柱は盛りかえない、直上階に大きな積載荷重があるときは行わない、振動・衝撃を与えない、逐次行い同時に多数行わない、頂部に十分な受板・角材を配置する、です。
関連する早見表
出典・参考
- 建築基準法施行令(昭和25年政令第338号) 第76条 — 型わく及び支柱の除去。存置期間はセメントの種類・気温等に応じ国土交通大臣が定める基準による(第2項)
- 昭和46年建設省告示第110号「建築基準法施行令第七十六条第二項の規定に基づく現場打コンクリートの型わく及び支柱の取りはずしに関する基準」(昭56建告1102号・昭63建告1655号・平28国交告503号により改正) — 別表(せき板・支柱の存置日数とコンクリートの圧縮強度)、第一(強度による判断と推定式・セメント種類別の係数s)、第二(支柱の盛りかえ)。国土交通省公開の告示本文で確認
- JIS A 1108(コンクリートの圧縮強度試験方法)/JIS A 1107(コンクリートからのコアの採取方法及び圧縮強度試験方法) — 告示が強度確認の方法として引用
※ 本ページは告示の基準値を引くための早見表です。実際の型枠の取り外し可否は、現場の管理技術者・工事監理者の判断、特記仕様書、および強度試験の結果によってください。告示には「特別な調査又は研究の結果に基づき存置期間を定めることができる場合は、当該存置期間によることができる」という但し書きがあります。
最終更新: 2026-09-14