スペック早見表

誘導灯の設置基準早見表|A級/B級/C級の有効範囲と非常電源20分

誘導灯は「何mおき」ではなく有効範囲で配置します。避難口誘導灯ならA級60m・B級30m・C級15m(避難方向のシンボルがあると40m・20m)、通路誘導灯はA級20m・B級15m・C級10m。区分と有効範囲を1枚にまとめました。

🟢 誘導灯 判断即答ボックス

区分の決まり方表示面の縦寸法A級0.4m以上/B級0.2〜0.4/C級0.1〜0.2
避難口誘導灯B級の有効範囲30mシンボルありなら20m
通路誘導灯B級の有効範囲15mA級20m・C級10m
見とおせない場所10m以下表の距離は使えない
非常電源20分間大規模な一定部分は60分
誘導標識歩行距離7.5m以下曲り角にも設置

このページについて

誘導灯はA級・B級・C級の区分があり、区分ごとに有効範囲(その誘導灯が届く歩行距離)が決まっています。設置間隔は「何mおき」ではなく、廊下や通路の各部分が、どれかの誘導灯の有効範囲に入るように配置するという考え方です。区分・明るさ・有効範囲・非常電源をまとめました。設置の要否と具体的な配置は、所轄消防署および消防設備士の判断によってください。建築基準法の非常用照明とは別の制度です。

表1: 区分・表示面の縦寸法・明るさ(規則第28条の3第1項)

よく使う:
種類区分表示面の縦寸法表示面の明るさ
避難口誘導灯A級0.4m以上50カンデラ以上
B級0.2m以上0.4m未満10カンデラ以上
C級0.1m以上0.2m未満1.5カンデラ以上
通路誘導灯A級0.4m以上60カンデラ以上
B級0.2m以上0.4m未満13カンデラ以上
C級0.1m以上0.2m未満5カンデラ以上

※ 階段または傾斜路に設ける通路誘導灯は、この表の対象外です。区分は表示面の縦寸法で決まります。表示面の明るさとは、常用電源により点灯しているときの表示面の平均輝度と表示面の面積の積のことです。

表2: 有効範囲(歩行距離。規則第28条の3第2項)

種類区分避難の方向を示すシンボル有効範囲(歩行距離)
避難口誘導灯A級なし60m
あり40m
B級なし30m
あり20m
C級15m
通路誘導灯A級20m
B級15m
C級10m

誘導灯を容易に見とおすことができない場合、または識別することができない場合は、歩行距離10m以下となる範囲が有効範囲になります。また、表の距離に代えてD=kh(D=歩行距離m、h=表示面の縦寸法m、k=避難口誘導灯のシンボルなし150・あり100、通路誘導灯50)で算出した距離によることもできます。検算: B級・シンボルなし・縦0.2mなら 150×0.2=30m で表の値と一致します。

表3: 設置場所と細目

項目内容
避難口誘導灯を設ける避難口屋内から直接地上へ通ずる出入口(附室がある場合はその出入口)
直通階段の出入口(附室がある場合はその出入口)
上記に通ずる廊下・通路に通ずる出入口
上記に通ずる廊下・通路に設ける、直接手で開くことができる防火戸がある場所(くぐり戸付き防火シャッターを含む)
通路誘導灯を設ける箇所曲り角
避難口誘導灯の有効範囲内の箇所
廊下・通路の各部分を通路誘導灯の有効範囲内に包含するために必要な箇所
階段・傾斜路の通路誘導灯踏面または表面および踊場の中心線の照度が1ルクス以上
客席誘導灯客席の照度が0.2ルクス以上(令第26条第2項第三号)
誘導標識各階ごとに、廊下・通路の各部分から一の誘導標識までの歩行距離7.5m以下となる箇所および曲り角(避難口・階段に設けるものを除く)
非常電源直交変換装置を有しない蓄電池設備で、20分間(消防庁長官が定める要件に該当する大規模な防火対象物の一定の部分は60分間)作動できる容量以上
避難口誘導灯・通路誘導灯・誘導標識ともに緑色
周囲誘導灯とまぎらわしい、または誘導灯をさえぎる灯火・広告物・掲示物等を設けない

設置が必要な防火対象物(令第26条第1項)

避難口誘導灯と通路誘導灯は、次の防火対象物に設置します。

  • 建物全体が対象: 令別表第一(一)項〜(四)項(劇場・キャバレー等・飲食店・百貨店等)、(五)項イ(旅館・ホテル等)、(六)項(病院・福祉施設等)、(九)項(公衆浴場)、(十六)項イ(特定用途を含む複合用途)、(十六の二)項(地下街)、(十六の三)項(準地下街)
  • 地階・無窓階・11階以上の部分のみ: (五)項ロ(寄宿舎・共同住宅)、(七)項(学校)、(八)項(図書館等)、(十)項〜(十五)項(停車場・神社・工場・駐車場・倉庫・事業場)、(十六)項ロ(非特定の複合用途)
  • 客席誘導灯: (一)項(劇場・映画館・演芸場・観覧場)、および(十六)項イ・(十六の二)項のうち(一)項の用途に供される部分
  • 誘導標識: (一)項〜(十六)項の防火対象物

ただし、避難が容易であると認められるもので総務省令で定めるものは除かれます。また、誘導標識については、避難口誘導灯または通路誘導灯を基準どおり設置したときは、その有効範囲内の部分について誘導標識を設置しないことができます(令第26条第3項)。

消火器の設置基準は消火器の設置基準、建築基準法側の避難照明は非常用照明で確認できます。

間違えやすいポイント

  • 「○mおきに設置」と覚える — 間隔ではなく、各部分が有効範囲に入るように配置します。
  • シンボルの有無で有効範囲が変わることを知らない — 避難口誘導灯A級はシンボルなし60m、あり40mです。
  • 見とおせない場所でも表の距離を使う — 容易に見とおせない/識別できない場合は10m以下になります。
  • 非常電源を30分で見積もる — 誘導灯は20分(大規模等は60分)。30分は建築基準法の非常用照明です。
  • 曲り角に通路誘導灯を入れ忘れる — 曲り角は明示的に設置箇所として挙げられています。
  • 誘導灯の前に広告物や掲示物を置く — まぎらわしいもの・さえぎるものを設けてはならないと規定されています。

よくある質問

Q1. 誘導灯のA級・B級・C級は何で決まる?

A. 表示面の縦寸法です。A級0.4m以上/B級0.2〜0.4m未満/C級0.1〜0.2m未満。明るさも区分ごとに規定があり、避難口誘導灯で50/10/1.5カンデラ以上、通路誘導灯で60/13/5カンデラ以上です。

Q2. 誘導灯の設置間隔は何mおき?

A. 間隔ではなく有効範囲でカバーする考え方です。廊下・通路の各部分が、いずれかの誘導灯の有効範囲に入るよう配置します。通路誘導灯の有効範囲はA級20m・B級15m・C級10mです。

Q3. 避難口誘導灯の有効範囲は?

A. A級はシンボルなし60m・あり40m、B級はなし30m・あり20m、C級は15mです。ただし容易に見とおせない/識別できない場合は10m以下になります。

Q4. 誘導灯の有効範囲を計算で出せる?

A. できます。D=kh(D=歩行距離m、h=表示面の縦寸法m、k=避難口誘導灯シンボルなし150・あり100、通路誘導灯50)。例: 縦0.2mのB級シンボルなしは150×0.2=30mで表と一致します。

Q5. 誘導灯の非常電源は何分必要?

A. 20分間です。消防庁長官が定める要件に該当する大規模な防火対象物の一定部分は60分間。建築基準法の非常用照明(30分)とは別の基準です。

Q6. 誘導標識はどこに設置する?

A. 各階ごとに、廊下・通路の各部分から歩行距離7.5m以下となる箇所と曲り角です。誘導灯を基準どおり設置した場合、その有効範囲内では誘導標識を省略できます(令第26条第3項)。

Q7. 階段に設ける誘導灯の基準は?

A. 踏面または表面および踊場の中心線の照度が1ルクス以上です。階段の通路誘導灯は避難の方向を明示することを要しないとされ、A級/B級/C級の区分表の対象からも除かれています。

関連する早見表

出典・参考

  • 消防法施行令(昭和36年政令第37号) 第26条 — 誘導灯及び誘導標識に関する基準(設置対象、緑色の灯火、客席誘導灯0.2ルクス以上、非常電源の附置、誘導標識の省略)。e-Gov法令検索の条文で確認
  • 消防法施行規則(昭和36年自治省令第6号) 第28条の3 — 区分ごとの表示面の縦寸法と明るさ(第1項)、有効範囲と算出式D=kh(第2項)、設置箇所(第3項)、細目(第4項。階段の照度1ルクス以上、点滅・音声誘導、非常電源20分間/60分間)、誘導標識の細目(第5項。歩行距離7.5m以下)

※ 本ページは基準値を引くための早見表です。設置の要否・区分の選定・具体的な配置は、所轄の消防署および消防設備士の判断によってください。誘導灯および誘導標識は、消防庁長官が定める基準に適合するものでなければなりません(規則第28条の3第6項)。

最終更新: 2026-09-14