スペック早見表

コンクリートの打込み時間・養生期間 早見表(練混ぜ〜打込み終了・湿潤養生)

生コンの練混ぜから打込み終了までは、外気温25℃以下なら120分以内、25℃を超えるなら90分以内(公共建築工事標準仕様書)。打込み中と打込み後5日間はコンクリートの温度を2℃以上に保ち(建築基準法施行令第75条。凝結・硬化を促進する特別の措置を講ずる場合を除く)、普通ポルトランドセメントなら湿潤養生を5日以上行います。打込み・締固め・養生の数値をまとめました。

🏗️ 打込み・養生 判断即答ボックス

外気温25℃以下なら練混ぜ→打込み終了は?120分以内25℃を超えると90分以内
暑中コンクリートなら?90分以内・荷卸し35℃以下日平均気温の日別平滑値25℃超の期間
打重ね時間間隔は何分?分の数値なし再振動可能時間以内(標仕6.6.3)
普通ポルトランドの湿潤養生は?5日以上早強3日・高炉B種など7日
打込み中・打込み後の温度は?5日間 2℃以上打込み中も対象。特別の措置を講ずる場合を除く(施行令第75条)
棒形振動機の挿入間隔は?60cm以下配管1系統に2台以上
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表1: 打込み・締固め・養生の時間と数値 — 公共建築工事標準仕様書(建築工事編)6章

項目条件数値・規定条項
練混ぜから打込み終了まで外気温25℃以下120分以内6.6.2(1)
練混ぜから打込み終了まで外気温25℃を超える90分以内6.6.2(1)
練混ぜから打込み終了まで暑中コンクリート90分以内6.12.3(4)
打重ね時間間隔の限度同一区画の打込み継続中先に打ち込んだ層に再び振動をかけて一体にできる間(再振動可能時間以内)
分の数値はなし
6.6.3(8)
打込み中のコンクリート温度打込み中のコンクリート温度が2℃を下回るおそれ、又は品質に悪影響のおそれがある降雨・降雪が予想される適切な養生を行う
できなければ打ち込まない
6.6.3(1)
棒形振動機の挿入間隔打込み各層ごと・下層に先端が入るようほぼ垂直60cm以下
加振は上面にペーストが浮くまで
6.6.5(3)
棒形振動機の台数コンクリート配管1系統につき2台以上6.6.5(2)
ポンプの輸送管の呼び寸法粗骨材の最大寸法20mm・25mm100A以上表6.6.1
ポンプの輸送管の呼び寸法粗骨材の最大寸法40mm125A以上表6.6.1
ポンプの輸送管の呼び寸法軽量コンクリートで水平換算距離150m以上125A以上6.10.4(1)
打継ぎの位置
特記がない場合
梁・スラブスパンの中央又は端から1/4の付近6.6.4(1)
打継ぎの位置
特記がない場合
柱・壁スラブ・壁梁・基礎の上端6.6.4(1)
養生温度早強ポルトランドセメント以外打込み後5日間以上 2℃以上6.7.1(1)
養生温度早強ポルトランドセメント打込み後3日間以上 2℃以上6.7.1(1)
上での歩行・作業打込み後少なくとも1日間しない
やむを得ないときは保護する
6.7.3(2)
水和熱で中心部が熱くなる部材中心部温度が外気温より25℃以上高くなるおそれマスコンクリートの養生(6.13.4)に準じて養生6.7.1(3)

※ 条項は公共建築工事標準仕様書(建築工事編)令和7年版 6章 コンクリート工事。練混ぜから打込み終了までの時間は、コンクリートの温度を下げる・凝結を遅らせるなどの措置を講じる場合、監督職員の承諾を受けて変えることができます(6.6.2(2))。令和7年版は打重ね時間間隔の限度を分で示しておらず、先に打ち込んだコンクリートに再び振動をかけて一体にできる時間(再振動可能時間)の範囲内としています。

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表2: セメントの種類別の湿潤養生の期間と養生温度

セメントの種類湿潤養生の期間
表6.7.1
2℃以上に保つ期間
6.7.1(1)
早強ポルトランドセメント3日以上3日間以上
普通ポルトランドセメント・高炉セメントA種・シリカセメントA種・フライアッシュセメントA種・普通エコセメント5日以上5日間以上
中庸熱ポルトランドセメント・低熱ポルトランドセメント・高炉セメントB種・フライアッシュセメントB種7日以上5日間以上

※ 湿潤養生は、透水性の小さいせき板による被覆、養生マット・水密シートによる被覆、散水・噴霧、膜養生剤の塗布などで行います(6.7.2)。シリカセメントB種は表6.7.1に記載がありません。建築基準法施行令第75条は、セメントの種類にかかわらず打込み中と打込み後5日間、コンクリートの温度を2度以上に保つよう定めています(凝結・硬化を促進する特別の措置を講ずる場合を除く。表6)。

表3: 寒中・暑中・マスコンクリートの数値

区分適用荷卸し時の
コンクリート温度
練混ぜから
打込み終了まで
養生など節
寒中コンクリート打込み後の養生期間中に凍結するおそれのある期間
適用期間は特記
10℃以上20℃未満一般と同じ
6.6.2
初期養生は圧縮強度5N/mm²以上まで。どの部分も2℃以下にしない6.11
暑中コンクリート日平均気温の日別平滑値が25℃を超える期間35℃以下
難しいときは監督職員と協議
90分以内散水で常に湿潤に保つ。湿潤養生の開始は上面がブリーディング水の消失時、せき板面が脱型直後6.12
マスコンクリート断面の最小寸法が大きく、水和熱で有害なひび割れのおそれがある部分
適用は特記
35℃以下
難しいときは監督職員と協議
一般と同じ
6.6.2
せき板等は表面部と外気温の温度差が小さくなってから外す6.13

寒中コンクリートの初期養生と材料(6.11.3〜6.11.6)

  • 打込み後ただちに、露出面をシート等で隙間なく覆う。
  • 気温が一時的にでも0℃以下になると予想されるときは、露出面と開口部をシート等で隙間なく覆う。
  • 気温が数日にわたり0℃以下、又は一時的にでも−10℃以下になると予想されるときは、構造物全体をシート・合板等で覆い、内外部を所定の温度に保つよう採暖する。
  • 材料を加熱するときはセメントを加熱せず、骨材を直接火で加熱しない。セメントを入れる前のミキサー内の骨材と水は40℃以下。
  • 凍結した地盤の上にコンクリートを打ち込まない・型枠の支柱を立てない。型枠の取外し時期はコンクリートの圧縮強度で決める。
  • 供試体が凍結しているおそれがあるときは、試験の前に約10℃の水中に2〜6時間浸す。

表4: 受入れ・強度試験の数値

項目条件数値・規定条項
スランプの許容差スランプ8cm以上18cm以下±2.5cm表6.5.1
スランプの許容差スランプ21cm±1.5cm
呼び強度27以上で高性能AE減水剤を使う場合は±2cm
表6.5.1
塩化物量塩化物イオン(Cl⁻)量0.30kg/m³以下6.3.2(イ)(g)
塩化物量の試験コンクリートの種類が異なるごと1日1回以上
打込み当初と、1日の計画打込み量が150m³を超える場合は150m³以下にほぼ均等に分けた単位ごとに1回以上
表6.9.1
強度試験の1回の試験調合管理強度・構造体コンクリート強度の判定打込み日ごと・打込み工区ごと、かつ150m³以下にほぼ均等に分けた単位ごと。供試体3個表6.9.2
供試体の採り方調合管理強度の判定 / 構造体強度の判定1台の運搬車から同時に3個 / 間隔をあけた3台から1個ずつ表6.9.2
標準養生JIS A 1132による20±2℃の水中養生6.9.3(1)(ア)
供試体の脱型詰め終わってから(現場の封かん養生を除く)16時間以上3日間以内6.9.3(2)
調合管理強度の判定3回の試験1回の平均が調合管理強度の85%以上、かつ3回の総平均が調合管理強度以上6.9.4(1)
構造体コンクリート強度の判定現場水中養生・材齢28日28日までの平均気温20℃以上: 調合管理強度以上 / 20℃未満: Fc+3N/mm²以上6.9.5(1)(ア)
構造体コンクリート強度の判定現場封かん養生材齢28日でFc×0.7以上、かつ28日を超え91日以内でFc+3N/mm²以上6.9.5(1)(イ)
構造体コンクリート強度の判定標準養生・材齢28日調合管理強度以上6.9.5(1)(ウ)

※ Fcは設計基準強度、調合管理強度はFcに構造体強度補正値Sを加えた値です(6.3.2(ア))。構造体コンクリート強度の判定は、(ア)〜(ウ)のいずれかを満足すれば合格です(6.9.5(1))。寒中コンクリートは、構造物の内側で封かん養生した供試体で、材齢28日でFc×0.7以上、かつ28日を超え91日以内でFc+3N/mm²以上なら合格です(6.11.6(3))。

表5: 構造体コンクリート強度の判定値(計算例)

設計基準強度Fc×0.7
封かん養生 材齢28日
Fc+3
封かん養生 28日を超え91日以内
水中養生 平均気温20℃未満
Fc1812.621
Fc2114.724
Fc2416.827
Fc2718.930
Fc3021.033
Fc3323.136
Fc3625.239

単位はN/mm²。6.9.5・6.11.6の式から当サイトが計算した値です(丸めなし)。標準仕様書で扱う普通コンクリートの設計基準強度は36N/mm²以下です(6.2.2(1))。調合管理強度による判定値は、構造体強度補正値Sが特記や条件で変わるため載せていません。

表6: 建築基準法施行令の規定

条内容
第75条
コンクリートの養生
「コンクリート打込み中及び打込み後五日間は、コンクリートの温度が二度を下らないようにし、かつ、乾燥、震動等によつてコンクリートの凝結及び硬化が妨げられないように養生しなければならない。ただし、コンクリートの凝結及び硬化を促進するための特別の措置を講ずる場合においては、この限りでない。」
第71条
適用の範囲
鉄筋コンクリート造に適用。高さ4m以下かつ延べ面積30m²以内の建築物、高さ3m以下のへいにも、第72条・第75条・第79条は適用される(第2項)
第79条の4・第80条鉄骨鉄筋コンクリート造(第79条の4)・無筋コンクリート造(第80条)にも第75条を準用
第36条第1項第74条から第76条まで(準用する場合を含む)は耐久性等関係規定に含まれる
第76条
型わく及び支柱の除去
存置期間は国土交通大臣が定める基準(昭和46年建設省告示第110号)による → 型枠の存置期間早見表

※ 第75条は、期間(5日間)と温度(2度)を条文で直接定めています。標準仕様書6.7.1は早強ポルトランドセメントについて2℃以上を保つ期間を3日間以上としていますが、これと第75条のただし書(凝結・硬化を促進する特別の措置)との関係は資料に書かれていないため、このページでは判断しません。

使い方

  1. 打込み当日の外気温と、暑中・寒中・マスコンクリートに当たるか(特記)を確かめ、練混ぜから打込み終了までの時間(表1・表3)を決めます。
  2. セメントの種類から湿潤養生の期間と2℃以上に保つ期間を引きます(表2)。
  3. 受入れの許容差・試験の頻度・強度の判定は表4・表5で引きます。
  4. 型枠をいつ外せるかは型枠の存置期間早見表、配合・スランプ・空気量・構造体補正値はコンクリート配合早見表で引きます。

間違えやすいポイント

  • 90分を一年中の値だと思う — 外気温25℃以下なら120分以内、25℃を超えると90分以内です。暑中コンクリートは90分以内です。
  • 打重ね時間間隔を分で覚えてしまう — 標準仕様書(令和7年版)は限度を分で示しておらず、先に打ち込んだコンクリートに再び振動をかけて一体にできる時間(再振動可能時間)の範囲内としています。分で管理するときは特記仕様書や施工計画書の値を確かめます。
  • 高炉セメントのA種とB種を同じ期間にする — 湿潤養生はA種が5日以上、B種が7日以上です。
  • 荷卸し温度の寒中と暑中を取り違える — 寒中は10℃以上20℃未満、暑中とマスコンクリートは35℃以下です。
  • 打設の翌日すぐ上で作業する — 打込み後少なくとも1日間は上での歩行・作業をしません。

時間と温度が決められている理由

コンクリートは、セメントと水が反応(水和)して固まります。練り混ぜた時点から反応が進むため、時間がたつほど流動性が落ち、打ち込みにくくなります。先に打ち込んだ層が固まり始めてから次の層を重ねると、境目が一体にならずコールドジョイント(打重ね不良の継目)ができやすくなります。打込み時間と打重ね時間間隔の限度は、これを防ぐためのものです。

水和は低温で遅くなり、固まる前に凍ると組織が傷みます。また、乾燥して水分が失われると水和が進みにくくなります。打込み後に温度を2℃以上に保ち、一定期間湿った状態を保つ(湿潤養生)のはこのためです。早強セメントは強度の出方が早いため期間が短く、高炉セメントB種や中庸熱・低熱セメントは強度の出方がゆっくりなため期間が長く定められています(このセクションは一般的な説明で、当サイトによるものです)。

よくある質問

Q1. 生コンは練り混ぜてから何分以内に打ち込む?

A. 外気温25℃以下なら120分以内、25℃を超えるなら90分以内です(6.6.2)。暑中コンクリートは90分以内です。

Q2. 打重ね時間間隔は何分?

A. 公共建築工事標準仕様書(建築工事編)令和7年版の6.6.3(8)は、同じ区画で打込みを続けているときの打重ね時間間隔の限度を、先に打ち込んだコンクリートに再び振動をかけて一体にできる時間の範囲内(再振動可能時間以内)としており、分の数値は書かれていません。分で管理する場合は、特記仕様書や施工計画書で定めた値を確認してください。

Q3. 湿潤養生は何日必要?

A. 早強3日以上、普通ポルトランド・A種の混合セメント・普通エコセメント5日以上、中庸熱・低熱・高炉B種・フライアッシュB種7日以上です。

Q4. 冬の打設で守る温度は?

A. 建築基準法施行令第75条で、打込み中と打込み後5日間は2℃以上に保ちます(条文はコンクリートの温度が2度を下らないように養生すると定め、凝結・硬化を促進する特別の措置を講ずる場合を除いています)。標準仕様書の寒中コンクリートでは、荷卸し時のコンクリート温度を10℃以上20℃未満とし、圧縮強度が5N/mm²以上になるまで、どの部分も2℃以下にならない方法で初期養生を行います。

Q5. 暑中コンクリートの条件と数値は?

A. 日平均気温の日別平滑値が25℃を超える期間に適用し、荷卸し時35℃以下、練混ぜから打込み終了まで90分以内です。

Q6. 打設後いつから上を歩ける?

A. 打込み後少なくとも1日間は歩行・作業をしません。やむを得ないときは保護します。

Q7. 型枠はいつ外せる?

A. 部位・セメント・平均気温で変わります。日数は型枠の存置期間早見表へ。標準仕様書ではスラブ下・梁下のせき板は支柱を外した後に外し、支柱の盛替えは行いません。

Q8. 構造体コンクリートの強度はどう判定する?

A. 現場水中養生28日で調合管理強度以上(平均気温20℃未満はFc+3以上)、封かん養生は28日でFc×0.7以上かつ91日以内でFc+3以上、標準養生28日で調合管理強度以上です。

関連する早見表

出典・参考

  • 公共建築工事標準仕様書(建築工事編)令和7年版 — 国土交通省大臣官房官庁営繕部(令和7年3月21日 国営建技第5号、最終改定 令和7年5月12日 国営建技第1号)。6章 コンクリート工事 6.2.2、6.3.2(ア)(イ)(g)、6.5.2(表6.5.1)、6.6.1(表6.6.1)・6.6.2・6.6.3・6.6.4・6.6.5、6.7.1〜6.7.3(表6.7.1)、6.8.4(表6.8.2・表6.8.3は型枠の存置期間早見表との照合のみ)、6.9.2(表6.9.1)・6.9.3(表6.9.2)・6.9.4・6.9.5、6.10.4、6.11、6.12、6.13(PDF p.47〜69)を、国土交通省の掲載ページの公開PDFで確認
  • 建築基準法施行令(昭和25年政令第338号) 第36条第1項、第71条、第75条、第76条、第79条の4、第80条 — e-Gov法令検索の現行条文(令和7年政令第377号による改正・2025年12月1日施行)で確認

※ 本ページの数値は2026年10月時点で確認した出典(公共建築工事標準仕様書 建築工事編 令和7年版、令和7年5月12日最終改定)にもとづきます。改定・改正されることがあるため、最新の原典を確認してください。

※ 表1〜表4は標準仕様書の規定を当サイトが表の形に整理したもの、表5は6.9.5・6.11.6の式から当サイトが計算したもの、表6は施行令の条文の要約(第75条は条文の引用)です。型枠の存置期間(告示110号)と配合・スランプ・空気量・構造体強度補正値は、それぞれ型枠の存置期間早見表・コンクリート配合早見表で扱い、このページには載せていません。

※ 本ページは標準仕様書と法令の数値を引くための早見表です。実際の工事の時間・養生期間・試験は特記仕様書・施工計画書を優先し、設計・施工・法令適合の判断は原典と有資格者(工事監理者・施工管理技術者など)・所管行政庁の確認のうえで行ってください。

※ 本ページの表・数値は、上記の出典をもとに当サイトが計算・編集(加工)して作成したものです。出典元の機関・団体が作成したものではありません。

最終更新: 2026-10-14