LANケーブルカテゴリ比較
カテゴリ別の最大速度・周波数帯・シールド方式を比較できます。
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このページについて
LANケーブル(ツイストペアケーブル)のカテゴリ規格を、最大通信速度・周波数帯域・シールド方式・想定用途の4軸で比較する早見表です。Cat5・Cat5e・Cat6・Cat6A・Cat7・Cat7A・Cat8の主要7規格を網羅し、家庭用配線からデータセンター用途まで適切なカテゴリ選定をサポートします。
ネットワーク機器を選定するシステムエンジニア、オフィス・データセンターの配線計画を行う電気通信工事担当者、自宅LAN環境を整えたい一般ユーザーまで、用途と将来性のバランスで最適な選択肢を見つけるための情報をまとめました。
インターネット回線の高速化(10Gbps化)とWi-Fi 6E/Wi-Fi 7の普及により、有線バックボーンに求められる帯域は年々増加しています。建物内の配管交換は容易ではないため、5〜10年先を見据えたケーブル選定が重要です。
一覧表(全7件)
| カテゴリ | 最大速度 | 帯域 | シールド | 用途 |
|---|---|---|---|---|
| Cat5 | 100 Mbps | 100 MHz | UTP | 旧規格・低速LAN |
| Cat5e | 1 Gbps | 100 MHz | UTP | 一般家庭LAN(現役) |
| Cat6 | 1 Gbps | 250 MHz | UTP | 現在最も多い規格 |
| Cat6A | 10 Gbps | 500 MHz | UTP/STP | オフィス・NAS |
| Cat7 | 10 Gbps | 600 MHz | S/FTP | 業務・ノイズ環境 |
| Cat7A | 10 Gbps | 1000 MHz | S/FTP | サーバールーム |
| Cat8 | 40 Gbps | 2000 MHz | S/FTP | データセンター短距離(30m) |
LANケーブル規格の基礎知識
Cat5e/6/6A/7/7A/8の違い
LANケーブルのカテゴリ番号は、対応する周波数帯域(MHz)と最大通信速度(Mbps/Gbps)で区分されます。Cat5e(100MHz/1Gbps)は1999年制定の旧規格ですが、家庭用としては今も現役です。Cat6(250MHz/1Gbps)はCat5eと同速度ですが帯域が広くノイズ耐性が向上しています。
Cat6A(500MHz/10Gbps)は10Gbase-T(10ギガビットイーサネット)に正式対応する規格で、現行のオフィスビル新築・改修工事ではこのCat6Aが標準仕様となっています。Cat7(600MHz)/Cat7A(1000MHz)は伝送速度自体は10Gbpsですが、シールド構造が強化されておりノイズ環境下での通信品質が高くなります。ただし本来のコネクタ規格(GG45/TERA)が普及しておらず、RJ45で接続する限り「Cat7規格のケーブル」を「Cat6A」として使う運用が一般的です。Cat8(2000MHz/40Gbps)は到達距離が30m以内に制限されており、データセンターのサーバー間短距離接続が想定用途です。
シールド方式の違い (UTP/STP/FTP/S/FTP)
- UTP (Unshielded Twisted Pair): シールドなし。安価・取り回しが容易。家庭・小規模オフィスの主流。
- STP (Shielded Twisted Pair): 各対線+全体をシールド。ノイズに強い。
- FTP (Foiled Twisted Pair): 全体をアルミ箔でシールド。
- S/FTP (Screened/Foiled Twisted Pair): 各対線をアルミ箔+全体を編組シールド。最高ノイズ耐性。Cat7以上で採用。
シールドケーブルはアース接地が必須で、片端のみアースする「片側接地」が基本です。両端接地するとアースループが発生して逆効果になります。
T568AとT568Bの配線の違い
RJ45コネクタ内の8芯の配線順序にはT568A(白緑/緑/白橙/青/白青/橙/白茶/茶)とT568B(白橙/橙/白緑/青/白青/緑/白茶/茶)の2種類があります。日本ではT568Bが主流。両端で同じ規格を使えば「ストレートケーブル」、両端で異なる規格を使えば「クロスケーブル」になりますが、現代の機器はAuto MDI/MDI-X対応でストレートで動作します。
実務での選び方・使い方
用途別の推奨カテゴリ
| 用途 | 推奨カテゴリ | 理由 |
|---|---|---|
| 一般家庭・1Gbps回線 | Cat5e / Cat6 | コスパ最優先、十分な性能 |
| 10Gbps回線・将来性重視 | Cat6A | 10Gbase-T正式対応、入手容易 |
| 工場・ノイズ環境 | Cat6A STP / Cat7 | シールド強化でノイズ耐性 |
| データセンター短距離 | Cat8 / 光ファイバー | 40Gbps〜、超短距離前提 |
| PoE/PoE+/PoE++ | Cat6A以上 | 発熱・電圧降下対策 |
距離別の選定ガイド
LANケーブルの最大到達距離は規格上100m(Cat5e〜Cat6A)ですが、Cat8は30m、ノイズの多い環境では実質50m程度に短縮します。100m超の距離が必要な場合は、ハブ・スイッチを中継するか、光ファイバー(マルチモード/シングルモード)を検討してください。
PoE (Power over Ethernet)の注意点
監視カメラ・無線アクセスポイントへ電源を供給するPoEは、Cat5e以上で対応します。ただしPoE++ (90W) を流す場合はCat6A以上が推奨されます。発熱で被覆が劣化するため、ケーブル束ねの密度にも注意が必要です。
よくある質問
Q1. 家庭用ならCat5eで十分?
A. 1Gbps回線が一般的な現状なら問題ありません。ただし壁内配管に埋め込む場合は、将来の10Gbps化を見越してCat6A以上を選んでおくと安心です。後から張り替える費用を考えれば、初期投資の差額は誤差の範囲です。
Q2. Cat7とCat6Aどちらを選ぶべき?
A. Cat6Aを推奨します。Cat7はシールド性能は高いものの、本来のコネクタ(GG45/TERA)が普及しておらず、RJ45で使う限り規格上はCat6Aと同等になります。価格差を払う価値は薄いです。
Q3. ストレートとクロスはどちらが必要?
A. 現代のスイッチ・ルータ・PCはAuto MDI/MDI-Xに対応しているため、ストレートケーブルで全て動作します。クロスケーブルは古い機器同士のPC直結など特殊用途のみです。
Q4. シールドケーブル(STP/FTP)を家庭で使う意味はある?
A. 一般家庭ではUTPで十分です。シールドケーブルは適切なアース接地が前提で、家庭の電源コンセントは接地されていない場合が多いため、逆に通信品質が悪化することもあります。
Q5. 10Gbpsを出すには何が必要?
A. ①Cat6A以上のケーブル ②10Gbase-T対応のスイッチ・ルータ ③10Gbase-T対応のNIC、の3つ全てが揃って初めて10Gbpsが出ます。1つでも1Gbpsの機器があると全体が1Gbpsに律速されます。
Q6. 既設のCat5eケーブルで2.5GbE/5GbEは動く?
A. 動作する可能性は高いです。2.5GBASE-T/5GBASE-Tは既設のCat5e/Cat6で速度を上げることを目的に策定された規格です。ただし距離やノイズ環境によっては不安定になる場合があります。
Q7. PoE対応ケーブルは普通のLANケーブルと違う?
A. 規格上は同じですが、PoE+(30W)以上を流す場合は単線・太い導体径のケーブルを推奨します。多数のケーブルを束ねると発熱が問題になるため、密集配線は避けてください。
Q8. 光ファイバーとどちらが良い?
A. 100m以内・10Gbpsまでなら銅線Cat6Aで十分です。100m超・40Gbps以上・電磁ノイズが激しい環境では光ファイバーが優位です。コストはCat6Aが安価で施工も容易です。
関連する早見表
関連規格・出典
- TIA/EIA-568.2-D: 商業ビル配線規格(米国)
- ISO/IEC 11801: 構内情報配線規格(国際)
- IEEE 802.3: イーサネット規格
- IEEE 802.3bz: 2.5GBASE-T / 5GBASE-T
- IEEE 802.3bt: PoE++ (Type 4, 90W)
- IEC 61156: 平衡対構造の通信ケーブル
最終更新: 2026-04-25