スペック早見表

過熱蒸気表 早見表(ゲージ圧×温度から引く)

同じ圧力の飽和温度より熱い蒸気(過熱蒸気)の値は、圧力と温度の両方で決まります。1.0MPaG・250℃なら比エンタルピー2939.4kJ/kg・比体積0.2105m³/kg。IAPWS-IF97の式で計算した、ゲージ圧0〜5.0MPa×120〜500℃の比エンタルピー・比体積・比エントロピーの表です。

♨️ 過熱蒸気 判断即答ボックス

1.0MPaGで250℃の蒸気は?過熱蒸気(過熱度65.9℃)飽和温度は184.12℃
0.5MPaGの蒸気を200℃まで過熱すると?飽和蒸気より約94kJ/kg多いh=2850.6kJ/kg
表の行の圧力は?ゲージ圧(MPaG)絶対圧=ゲージ圧+0.101325MPa
「—」の欄の温度では?過熱蒸気ではない飽和温度より低く、その圧力では水(液体)
1.0MPaGの飽和蒸気を0.2MPaGに減圧すると?約159℃の過熱蒸気過熱度 約25℃(比エンタルピー一定とした計算)
1.0MPaGで200℃→300℃にすると体積は?約1.26倍比体積0.1858→0.2336m³/kg
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表1: 過熱蒸気の比エンタルピー h(kJ/kg)

ゲージ圧
MPa
(絶対圧)
飽和
温度
℃
120℃150℃180℃200℃220℃250℃300℃350℃400℃450℃500℃
0.0
大気圧
(0.1013)
99.972716.52776.52835.92875.42915.02974.53074.53175.83278.53382.83488.7
0.1
(0.2013)
120.42—2769.02830.32870.72910.92971.23072.13173.93277.03381.53487.6
0.2
(0.3013)
133.68—2761.12824.52865.92906.82967.93069.63171.93275.43380.23486.5
0.3
(0.4013)
143.73—2752.72818.62860.92902.62964.53067.13170.03273.83378.93485.5
0.4
(0.5013)
151.94——2812.42855.82898.32961.13064.63168.03272.33377.73484.4
0.5
(0.6013)
158.92——2806.02850.62894.02957.63062.03166.13270.73376.43483.3
0.6
(0.7013)
165.03——2799.32845.22889.52954.13059.53164.13269.13375.13482.2
0.7
(0.8013)
170.48——2792.32839.72884.92950.53056.93162.13267.53373.83481.2
0.8
(0.9013)
175.42——2785.12834.02880.22946.93054.33160.13266.03372.53480.1
1.0
(1.1013)
184.12———2822.22870.62939.43049.03156.13262.83369.93477.9
1.2
(1.3013)
191.66———2809.62860.62931.83043.73152.13259.63367.33475.7
1.5
(1.6013)
201.42————2844.72919.93035.53145.93254.73363.33472.5
2.0
(2.1013)
214.90————2815.42898.83021.33135.53246.63356.73467.0
2.5
(2.6013)
226.08—————2876.13006.63124.83238.33350.03461.5
3.0
(3.1013)
235.71—————2851.32991.23113.83229.93343.33455.9
4.0
(4.1013)
251.85——————2958.23090.93212.63329.63444.7
5.0
(5.1013)
265.20——————2921.83066.83194.83315.63433.3

「—」の欄は、その圧力の飽和温度より低い温度で、その圧力では水(液体)の状態なので過熱蒸気の値はありません。飽和蒸気そのものの値は飽和蒸気表を見てください。絶対圧はゲージ圧+0.101325MPa(標準大気圧)として計算しています。比エンタルピーの基準は、三重点(0.01℃)の飽和水の内部エネルギーとエントロピーを0とする取り決め(IAPWS-IF97 Eq.(8))で、飽和蒸気表と同じ基準です。

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表2: 過熱蒸気の比体積 v(m³/kg)

ゲージ圧
MPa
(絶対圧)
飽和
温度
℃
120℃150℃180℃200℃220℃250℃300℃350℃400℃450℃500℃
0.0
大気圧
(0.1013)
99.971.7701.9112.0512.1442.2362.3752.6042.8333.0623.2913.519
0.1
(0.2013)
120.42—0.95351.0261.0731.1211.1911.3081.4231.5391.6541.770
0.2
(0.3013)
133.68—0.63120.68080.71320.74530.79290.87150.94941.0271.1041.181
0.3
(0.4013)
143.73—0.46930.50770.53250.55700.59320.65270.71160.77010.82830.8864
0.4
(0.5013)
151.94——0.40350.42390.44380.47320.52120.56860.61570.66240.7091
0.5
(0.6013)
158.92——0.33400.35130.36820.39300.43340.47320.51260.55170.5907
0.6
(0.7013)
165.03——0.28420.29940.31420.33570.37070.40500.43890.47260.5061
0.7
(0.8013)
170.48——0.24670.26040.27360.29270.32360.35380.38360.41320.4426
0.8
(0.9013)
175.42——0.21760.23000.24200.25920.28700.31400.34060.36700.3932
1.0
(1.1013)
184.12———0.18580.19590.21050.23360.25600.27800.29970.3213
1.2
(1.3013)
191.66———0.15500.16400.17670.19670.21590.23460.25320.2715
1.5
(1.6013)
201.42————0.13090.14180.15850.17440.18990.20510.2201
2.0
(2.1013)
214.90————0.096560.10560.11910.13170.14370.15550.1671
2.5
(2.6013)
226.08—————0.083220.094790.10530.11530.12490.1344
3.0
(3.1013)
235.71—————0.067920.078270.087410.095990.10420.1123
4.0
(4.1013)
251.85——————0.057210.064690.071510.077980.08424
5.0
(5.1013)
265.20——————0.044260.050820.056600.062000.06716

比体積は蒸気1kgが占める体積です(密度kg/m³の逆数)。「—」の欄と絶対圧の扱いは表1と同じです。

表3: 過熱蒸気の比エントロピー s(kJ/(kg·K))

ゲージ圧
MPa
(絶対圧)
飽和
温度
℃
120℃150℃180℃200℃220℃250℃300℃350℃400℃450℃500℃
0.0
大気圧
(0.1013)
99.977.46137.60847.74417.82947.91138.02848.21108.38048.53908.68848.8300
0.1
(0.2013)
120.42—7.27777.41777.50507.58827.70697.89108.06138.22048.37028.5121
0.2
(0.3013)
133.68—7.07687.22187.31107.39587.51607.70167.87288.03268.18288.3249
0.3
(0.4013)
143.73—6.92877.07927.17077.25717.37897.56617.73837.89868.04928.1916
0.4
(0.5013)
151.94——6.96597.05977.14777.27137.46027.63337.79427.94528.0879
0.5
(0.6013)
158.92——6.87086.96727.05707.18237.37297.54707.70857.85998.0029
0.6
(0.7013)
165.03——6.78826.88746.97907.10627.29867.47367.63577.78767.9308
0.7
(0.8013)
170.48——6.71446.81676.91037.03957.23377.40987.57257.72477.8683
0.8
(0.9013)
175.42——6.64736.75306.84876.97997.17607.35317.51657.66917.8129
1.0
(1.1013)
184.12———6.64076.74106.87657.07677.25587.42047.57397.7184
1.2
(1.3013)
191.66———6.54246.64816.78836.99267.17407.33997.49427.6392
1.5
(1.6013)
201.42————6.52686.67496.88607.07097.23887.39447.5403
2.0
(2.1013)
214.90————6.35366.51806.74186.93297.10437.26217.4096
2.5
(2.6013)
226.08—————6.38516.62356.82146.99667.15677.3057
3.0
(3.1013)
235.71—————6.26596.52166.72686.90607.06867.2192
4.0
(4.1013)
251.85——————6.34756.56986.75766.92537.0792
5.0
(5.1013)
265.20——————6.19636.43916.63686.81006.9674

比エントロピーの基準も表1と同じ(三重点の飽和水で0)です。「—」の欄と絶対圧の扱いは表1と同じです。

使い方

  • 過熱蒸気かどうかを確かめる — 蒸気の温度が、その圧力の「飽和温度」より高ければ過熱蒸気です。温度と飽和温度の差が過熱度です(例: 1.0MPaG・250℃なら飽和温度184.12℃なので、過熱度65.9℃)。
  • 比エンタルピー・比体積を引く — 圧力計の読み(ゲージ圧)の行と、温度の列が交わる欄を読みます(例: 1.0MPaG・250℃ → h=2939.4kJ/kg、v=0.2105m³/kg、s=6.8765kJ/(kg·K))。
  • 表の間の値は直線補間で — 例: 1.0MPaG・225℃は、200℃と250℃の平均で2880.8kJ/kg。式で直接計算すると2882.4kJ/kgで、差は約1.5kJ/kgです。この表の範囲で隣り合う2列の中間の温度を比べると、差がいちばん大きいのは3.0MPaGの250℃と300℃の間(約3.4kJ/kg)で、飽和温度に近く間隔の広い欄ほど差が大きくなります。比体積の差は最大でも約0.3%です。
  • 配管を流れる蒸気の体積を出す — 体積流量(m³/h)=質量流量(kg/h)×比体積。例: 1.0MPaG・250℃の蒸気を1,000kg/h流すと、1,000×0.2105=210.5m³/h。流速は配管の流量・流速の考え方で、管の断面積で割って求めます。
  • 減圧したあとの温度を見積もる — 減圧弁の前後で外部との熱の出入りがなく、流速の変化を無視できるとすれば、比エンタルピーは前後で同じとみなせます。1.0MPaGの飽和蒸気(h=2780.7kJ/kg)を0.2MPaGに下げると、表1の0.2MPaGの行でhが同じになる温度(式で計算すると約159.2℃)になり、飽和温度133.68℃に対して約25.5℃の過熱蒸気になります。

過熱蒸気表の読み方(原理)

  • 過熱蒸気 — 同じ圧力の飽和温度より温度が高い蒸気です。飽和蒸気と違い、圧力と温度を別々に決められるので、表は「圧力×温度」の2つの軸になります。
  • 比エンタルピー — 同じ圧力なら温度が高いほど大きくなります(1.0MPaGで200℃ 2822.2 → 300℃ 3049.0kJ/kg)。同じ温度なら圧力が高いほど少し小さくなります。熱量の計算では、同じ基準の表どうしで差をとって使います。
  • 比体積 — 温度が上がると大きく、圧力が上がると小さくなります(1.0MPaGで200℃ 0.1858 → 300℃ 0.2336m³/kg)。
  • 比エントロピー — タービンやノズルでの膨張を「熱の出入りも損失もない理想の膨張」として考えるとき、膨張の前後で変わらない量として使います。
  • 計算のもと — 国際水・蒸気性質協会(IAPWS)の工業用の式IAPWS-IF97で、過熱蒸気の範囲はその「Region 2」の式(ギブズ自由エネルギーの式 Eq.(15))で計算しています。

間違えやすいポイント

  • ゲージ圧と絶対圧の取り違え — この表の行はゲージ圧です。絶対圧で作られた蒸気表の「1.0MPa」はゲージ圧で約0.9MPaにあたり、250℃での値はh=2943.2kJ/kg・v=0.2327m³/kgと、1.0MPaGの値(h=2939.4・v=0.2105)と違います。比体積では約11%の差です。
  • 「—」の欄を過熱蒸気として読む — 飽和温度より低い温度では、その圧力の水は液体で、過熱蒸気になりません。例えば4.0MPaGの飽和温度は約252℃なので、250℃の欄は「—」です。
  • 飽和蒸気の値をこの表から取る — 飽和温度ちょうどの値はこの表にありません。飽和蒸気・飽和水・潜熱は飽和蒸気表で引きます。
  • 高地で圧力計の読みに0.101325MPaを足す — 標高の高い場所では大気圧が低いため、正確に引くときは現地の大気圧を足した絶対圧で計算します。

よくある質問

Q1. 過熱蒸気とは?

A. 同じ圧力の飽和温度より温度が高い蒸気です。例えばゲージ圧1.0MPaの飽和温度は184.12℃なので、1.0MPaGで200℃や250℃の蒸気は過熱蒸気です。過熱蒸気の値は圧力と温度の両方で決まります。

Q2. 過熱度とは?

A. 蒸気の温度からその圧力の飽和温度を引いた差です。1.0MPaG・250℃なら250−184.12=65.9℃です。

Q3. 1.0MPaG・250℃の蒸気の比エンタルピーは?

A. 2939.4kJ/kgです。比体積は0.2105m³/kg、比エントロピーは6.8765kJ/(kg·K)です(標準大気圧を足した絶対圧1.1013MPaでのIAPWS-IF97の計算値)。

Q4. 減圧弁で減圧すると過熱蒸気になる?

A. なります。減圧の前後で比エンタルピーが変わらないとみなすと、1.0MPaGの飽和蒸気(2780.7kJ/kg)を0.2MPaGに下げた蒸気は約159℃になり、0.2MPaGの飽和温度133.68℃に対して約25℃の過熱になります。外部との熱の出入りがなく、流速の変化を無視した場合の計算値です。

Q5. 表の間の温度の値はどう求める?

A. 隣り合う2つの欄から直線補間します。1.0MPaG・225℃の比エンタルピーは、200℃と250℃の平均で2880.8kJ/kg、式で直接計算すると2882.4kJ/kgで、差は約1.5kJ/kgです。この表の範囲では、中間の温度での差は最大で約3.4kJ/kg(3.0MPaGの250℃と300℃の間)です。

Q6. ほかの蒸気表と値が違うのはなぜ?

A. 多くの蒸気表は絶対圧で行が並んでいます。このページの行はゲージ圧(絶対圧=ゲージ圧+0.101325MPa)です。絶対圧1.0MPa・250℃はh=2943.2kJ/kgで、1.0MPaG・250℃の2939.4kJ/kgと違います。また、IAPWS-IF97が置き換えた1967年の工業用の式(IFC-67)で計算された古い表とは、式が違うため下の桁が違うことがあります。

Q7. 比エントロピーは何に使う?

A. タービンやノズルでの膨張を、熱の出入りも損失もない理想の膨張として考えるときに使います。このとき膨張の前後で比エントロピーが変わらないので、出口の状態を求める手がかりになります。

Q8. 5.0MPaGより高い圧力や500℃より高い温度は?

A. このページには載せていません。IAPWS-IF97のRegion 2の式が扱うのは、350℃以下では飽和圧力まで、350〜590℃では境界の式Eq.(5)の圧力(16.53〜100MPa)まで、590〜800℃では100MPaまでの蒸気です(絶対圧)。その範囲なら原典の式で計算できます。

関連する早見表

出典・参考

  • IAPWS R7-97(2012) Revised Release on the IAPWS Industrial Formulation 1997 for the Thermodynamic Properties of Water and Steam(IAPWS-IF97) — 国際水・蒸気性質協会(IAPWS)、2007年8月ルツェルン会議で承認(2012年に一部の記述を明確化した版)。Eq.(1)(定数R)、4節 Eq.(5)・Table 1(Region 2と3の境界)、6.1節 Eq.(15)〜(17)・Table 10〜12(Region 2: 蒸気の基本式)とその適用範囲(p.17)・Table 15(検証値)、8節 Eq.(30)(31)・Table 34〜36(飽和圧力・飽和温度)、Eq.(8)(エンタルピー・エントロピーの基準) — iapws.org 公開PDF

※ 表の値は、IAPWS-IF97の式を当サイトがプログラム(倍精度)で計算した値です。計算の前に、文書に載っている検証用の計算値(Region 2 のTable 15の18点、飽和線のTable 35・36の6点、境界の式Eq.(5)の1点)と9桁で一致することを確認しています。

※ 表の欄はすべてIF97のRegion 2(過熱蒸気)の適用範囲内です(350℃以下は飽和圧力以下、350℃を超える温度はEq.(5)の境界圧力以下であることを確認)。飽和温度はEq.(31)で求めています。

※ 丸め(四捨五入): 比エンタルピーは小数第1位、比体積は有効数字4桁、比エントロピーは小数第4位、飽和温度は小数第2位、絶対圧は小数第4位です。絶対圧はゲージ圧+0.101325MPa(標準大気圧)で計算しています。

※ 本ページの数値は2026年10月時点で確認した出典にもとづきます。改定されることがあるため、最新の原典を確認してください。

※ 本ページは蒸気の物性値を引くための早見表です。ボイラー・圧力容器・配管・タービンの設計や運転の判断は、原典と有資格者の確認のうえで行ってください。

※ 本ページの表・数値は、上記の出典をもとに当サイトが計算・編集(加工)して作成したものです。出典元の機関・団体が作成したものではありません。

最終更新: 2026-10-19