座金サイズ早見表|平座金・ばね座金の寸法一覧(JIS B 1256/JIS B 1251)
平座金(丸ワッシャー)M3〜M24の内径・外径・厚さ(並形)と小形・大形の外径比較、ばね座金(スプリングワッシャー)2号の内径・断面寸法(幅×厚さ)をJIS B 1256/JIS B 1251準拠で一覧。並形・小形・大形の使い分け、平座金の裏表(バリ面)、ばね座金のゆるみ止め効果の考え方まで、現場で迷うポイントをまとめました。
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このページについて
座金(ワッシャー)は、ボルト・ナットと部材の間に入れて座面の保護と荷重の分散を担う部品です。本ページでは、平座金(JIS B 1256)の並形の基準寸法(M3〜M24)と小形・大形の外径比較、ばね座金(JIS B 1251)2号の内径・断面寸法を一覧化しました。掲載値はいずれもJIS規格の基準寸法(公表値)で、実製品には公差があります。
あわせて、座金の種類(平・ばね・歯付き・波形)の使い分け、平座金の裏表(だれ面・バリ面)、近年議論のある「ばね座金のゆるみ止め効果」の考え方も整理しています。
平座金(丸ワッシャー)寸法表 M3〜M24(JIS B 1256)
並形の内径d・外径D・厚さtはJIS B 1256 附属書JA(旧JIS互換寸法・国内で一般的な「JISワッシャー」)の基準寸法です。小形・大形の外径はISO準拠系列(ISO 7092/ISO 7093-1相当・JIS B 1256本体規格)の値。「—」は本表では省略(流通が少ないサイズ)。
| 呼び (ねじ径) | 並形 内径 d (mm) | 並形 外径 D (mm) | 並形 厚さ t (mm) | 小形 外径 (mm) | 大形 外径 (mm) |
|---|---|---|---|---|---|
| M3 | 3.2 | 7 | 0.5 | 6 | 9 |
| M4 | 4.3 | 9 | 0.8 | 8 | 12 |
| M5 | 5.3 | 10 | 1 | 9 | 15 |
| M6 | 6.4 | 12.5 | 1.6 | 11 | 18 |
| M8 | 8.4 | 17 | 1.6 | 15 | 24 |
| M10 | 10.5 | 21 | 2 | 18 | 30 |
| M12 | 13 | 24 | 2.3 | 20 | 37 |
| M14 | 15 | 28 | 3.2 | 24 | 44 |
| M16 | 17 | 30 | 3.2 | 28 | 50 |
| M18 | 19 | 34 | 3.2 | — | — |
| M20 | 21 | 37 | 3.2 | 34 | 60 |
| M22 | 23 | 39 | 3.2 | — | — |
| M24 | 25 | 44 | 4.5 | 39 | 72 |
※ ISO準拠系列(JIS B 1256本体・ISO 7089相当)の並形は、M6外径12・M8外径16・M10外径20・M12厚さ2.5・M16厚さ3・M24厚さ4など、旧JIS互換寸法(本表の並形)と一部が異なります。図面・発注時は「M6」だけでなく実寸(内径×外径×厚さ)での指定・確認が確実です。
ばね座金(スプリングワッシャー)寸法表(JIS B 1251 2号)
JIS B 1251の2号(一般用)の基準寸法です。断面寸法は「幅b×厚さt」。呼びはねじの呼び径に対応します(呼び6=M6用)。3号(重荷重用)は断面が大きくなります。
| 呼び | 適合ねじ | 内径 d (mm) | 幅 b (mm) | 厚さ t (mm) |
|---|---|---|---|---|
| 2 | M2 | 2.1 | 0.9 | 0.5 |
| 2.5 | M2.5 | 2.6 | 1.0 | 0.6 |
| 3 | M3 | 3.1 | 1.1 | 0.7 |
| 4 | M4 | 4.1 | 1.4 | 1.0 |
| 5 | M5 | 5.1 | 1.7 | 1.3 |
| 6 | M6 | 6.1 | 2.7 | 1.5 |
| 8 | M8 | 8.2 | 3.2 | 2.0 |
| 10 | M10 | 10.2 | 3.7 | 2.5 |
| 12 | M12 | 12.2 | 4.2 | 3.0 |
| 14 | M14 | 14.2 | 4.7 | 3.5 |
| 16 | M16 | 16.2 | 5.2 | 4.0 |
| 18 | M18 | 18.2 | 5.7 | 4.6 |
| 20 | M20 | 20.2 | 6.1 | 5.1 |
| 22 | M22 | 22.5 | 6.8 | 5.6 |
| 24 | M24 | 24.5 | 7.1 | 5.9 |
※ 自由状態の外形はコイル状のため、外径はおおむね「内径+2×幅」+公差になります。記号はSW(スプリングワッシャー)と略記されることが多い部品です。
座金の種類と使い分け
| 種類 | 主な役割 | 使いどころ |
|---|---|---|
| 平座金(並形) | 座面の保護・応力(荷重)の分散 | 標準。迷ったらまず並形 |
| 平座金(小形) | 省スペースで座面確保 | 座面まわりのスペースが限られる箇所 |
| 平座金(大形) | 広い座面で荷重を分散 | 長穴・大きめの穴・木材など柔らかい相手材 |
| ばね座金(SW) | ゆるみ止めの補助・ナット脱落防止 | ナット直下に。平座金と併用が一般的 |
| 歯付き座金(菊座金) | 歯の食い込みによる回り止め・電気的導通の確保 | アース端子まわりなど電気接続部 |
| 波形座金(ウェーブワッシャー) | 軽い予圧・軸方向のガタ取り | 小径軸受まわりなど軽荷重部 |
平座金の基本の役割は、座面を保護し、締付け力を広い面積に分散することです。ゆるみ止めが目的の部品ではありません。ばね座金は「ゆるみ止めの補助」と「脱落防止」が主目的で、歯付き座金・波形座金はそれぞれ導通確保・ガタ取りという別の役割を持ちます。
ばね座金のゆるみ止め効果はどこまで期待できるか
ばね座金のゆるみ止め効果については、近年は「限定的」とする見方が主流になりつつあります。十分な軸力で締め付けられた締結体では、ばね座金は平らに押し潰されてほぼ平座金と同じ状態になり、そのばね反力はボルト軸力に比べてごく小さいためです。振動によるゆるみを再現する試験(ユンカー式振動試験など)でも、ばね座金の有無で大差がないとする報告が知られています。一方で、ナットが回転して脱落するまでの猶予を稼ぐ効果や、軸力の小さい締結での初期のなじみ・ゆるみを抑える効果は期待できるため、「無意味」と言い切れるものでもありません。重要保安部位や振動の大きい箇所では、ばね座金だけに頼らず、適正トルクでの締付け管理を基本に、ダブルナット・プリベリングトルク形ナット(ナイロンリング入りなど)・ねじ用接着剤・くさびカム式ゆるみ止め座金などの併用を検討してください。
よくある間違い
- ばね座金の「向き」を気にしすぎる — JIS B 1251に取付け向きの規定はありません。切り口(合い口)の食い込みはどちら向きでも生じるため、実務上は向きを問わず使用されるのが一般的です。
- 平座金の裏表(バリ面)を無視する — 打ち抜きのバリ(かえり)が残る面を塗装面・柔らかい部材に当てると、キズや食い込みの原因になります。角の丸い「だれ面」を相手材側に向けるのが目安です。
- 「大形」と「ただの外径違い」を混同する — JISの大形は内径・外径・厚さがセットで決まった系列です。市販の「大ワッシャー」「特寸ワッシャー」にはJIS外の寸法も多いため、呼び径だけでなく実寸(内径×外径×厚さ)で確認してください。
- 旧JIS並形とISO準拠並形を混同する — 同じ「M6並形」でも外径12.5mm(旧JIS互換)と12mm(ISO準拠)の2系列があります。混在すると外観・座面のかかりが揃いません。
使い方・選び方のポイント
使用場面
ボルト・ナット締結部の座面保護、長穴や大きめの下穴のカバー、木材・樹脂・アルミなど柔らかい相手材への荷重分散、電気接続部の導通確保(歯付き)などに使います。図面指定・部品手配時のサイズ確認にもこの表をどうぞ。
組み合わせの基本
平座金とばね座金を併用する場合は、ナット(またはボルト頭部)側から「ナット→ばね座金→平座金→部材」の順が一般的です。ばね座金はナット直下に置きます。
選び方のコツ
①迷ったら並形 ②相手材が柔らかい・穴が大きい・長穴なら大形 ③スペースがなければ小形 ④サイズ指定は「M6」だけでなく実寸(内径×外径×厚さ)で ⑤高強度ボルト(強度区分8.8以上)の締結には座金も硬さの合ったもの(硬鋼製など)を選ぶ、が基本です。
背景解説: 座金の原理とJIS規格の体系
ボルトを締め付けると、頭部・ナットの座面には大きな面圧が発生します。相手材が柔らかいと座面が陥没(へたり)して軸力が抜け、ゆるみの原因になります。平座金は座面の接触面積を広げて面圧を下げ、締付け時の座面の傷付き・陥没を防ぐのが役割です。また、内径より大きい下穴や長穴の上に「橋を架ける」ことで、締付け力を確実に部材へ伝えます。
平座金の寸法規格であるJIS B 1256には、ISO規格(ISO 7089/7090/7092/7093-1など)に整合した本体規格の系列(小形・並形・大形・特大形、部品等級A/C)と、附属書JAとして残された旧JIS互換寸法が併存しています。国内で「JISワッシャー」として流通する丸ワッシャーの多くは旧JIS互換寸法(M6=外径12.5mmなど)で、ISO準拠系列とは外径・厚さが微妙に異なります。本ページのメイン表はこの実情に合わせ、並形は旧JIS互換寸法、小形・大形の外径はISO準拠系列で掲載しています。
ばね座金はJIS B 1251で規定され、断面寸法により2号(一般用)・3号(重荷重用)に区分されます。長方形に近い断面の鋼線をコイル状に1巻きし、切り口(合い口)にねじれを付けた形状で、記号SWで呼ばれます。材質は鋼のほかステンレスなどがあり、めっき・表面処理は用途に応じて選択します。
よくある質問
Q1. M6の平座金(並形)のサイズは?
A. 内径6.4mm×外径12.5mm×厚さ1.6mmです(JIS B 1256 附属書JA 並形の基準寸法)。ISO準拠系列(ISO 7089相当)の並形は外径12mmと、外径がわずかに異なります。図面や注文では「M6」だけでなく内径×外径×厚さの実寸で指定すると取り違えを防げます。
Q2. 平座金に裏表はありますか?
A. プレス打ち抜きで作られる平座金には、角が丸い「だれ面」と、返りが残る「バリ面」があります。JISで取付け向きは規定されていませんが、実務ではキズを避けたい相手材(塗装面・柔らかい材料)側に滑らかなだれ面を向けるのが一般的な目安です。面取り付きの座金は、面取り側をボルト頭部側に向けると首下の丸み(フィレット)との干渉を避けられます。
Q3. ばね座金は本当にゆるみ止めになりますか?
A. 過信は禁物です。十分な軸力で締め付けた状態ではばね座金は平らに潰れ、そのばね反力はボルト軸力に比べてごく小さいため、振動試験ではゆるみ止め効果は限定的とする報告が知られています。一方、ナットの脱落防止や軸力の小さい締結での初期ゆるみ抑制には一定の意味があります。重要な締結部は適正トルク管理を基本に、ダブルナット・プリベリングトルク形ナット・ねじ用接着剤などの併用を検討してください。
Q4. 平座金とばね座金を併用するときの順番は?
A. ナット(またはボルト頭部)側から「ナット→ばね座金→平座金→部材」の順が一般的です。ばね座金はナット直下に置き、平座金で部材の座面を保護します。順番を逆にするとばね座金の食い込みがナットに効かず、部材の保護もできません。
Q5. 並形・小形・大形の違いは何ですか?
A. 外径(と厚さ)の系列の違いです。並形が標準で、小形は外径が小さく省スペース用、大形は外径が大きく座面が広いため、長穴・大きめの穴・木材などの柔らかい相手に荷重を分散したい場合に使います。同じM6用でも系列によって外径は11〜18mm程度まで変わります。
Q6. ばね座金の「2号」と「3号」の違いは?
A. JIS B 1251ではばね座金を断面寸法によって2号(一般用)と3号(重荷重用)に区分しています。一般に流通しているのはほとんどが2号で、3号は断面が大きい重荷重用途向けです。本ページの表は2号の寸法です。
Q7. 平座金の内径はなぜねじの呼び径より大きいのですか?
A. ボルトを通すためのすきま(クリアランス)が必要だからです。例えばM6用は内径6.4mm、M12用は内径13mmと、呼び径より0.4〜1mm程度大きく作られています。ボルト首下の丸み(フィレット)を避け、組み付けやすくする目的もあります。
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出典・参考
- JIS B 1256(平座金) — 小形・並形・大形などの種類と寸法(附属書JAの旧JIS互換寸法を含む)
- JIS B 1251(ばね座金) — 2号(一般用)・3号(重荷重用)の寸法
- 参考: ISO 7089 / ISO 7092 / ISO 7093-1 — 平座金(並形・小形・大形)の国際規格系列
※ 掲載値はJIS規格の基準寸法(呼び寸法)で、実製品には公差があります。図面作成・発注時は最新の規格票と製品仕様をご確認ください。
最終更新: 2026-07-08