スペック早見表

モーター回転数早見表|極数×50Hz/60Hzの同期回転数とすべり

三相誘導モーターの回転数一覧。極数(2P〜12P)×電源周波数(50Hz/60Hz)の同期回転数と、すべりを見込んだ実回転数の目安を収録。「4Pは1500か1800か」「銘板の1450rpmは何極か」が3秒で引けます。計算式は Ns=120×f/P です。

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2P (2極)3000 / 3600 rpm50Hz / 60Hz(同期)
4P (4極)1500 / 1800 rpm産業用の最標準
6P (6極)1000 / 1200 rpm低速・静音用途
計算式Ns = 120×f ÷ Pf:周波数 P:極数
実回転数同期の95〜98%すべり2〜5%(全負荷)
銘板1450rpm→ 4P・50Hz1500の少し下=4極

このページについて

三相かご形誘導モーター(一般産業用。JIS C 4210系)の回転数は、電源周波数fと極数Pだけで決まる同期回転数 Ns=120×f/P を上限に、負荷に応じた「すべり」の分だけ遅く回ります。本ページは極数×周波数の同期回転数(計算値・正確)と、全負荷時のすべり2〜5%を見込んだ実回転数の目安(範囲)をまとめた早見表です。個々のモーターの定格回転数は銘板・メーカー仕様書の値が正です。

表1: 極数×周波数の同期回転数と実回転数の目安

同期回転数はNs=120f/Pの計算値(正確)。実回転数の目安は全負荷ですべり2〜5%を仮定した範囲で、実機の定格回転数は銘板によります。

よく使う:
極数50Hz 同期
(rpm)
50Hz 実回転の目安
(すべり2〜5%)
60Hz 同期
(rpm)
60Hz 実回転の目安
(すべり2〜5%)
主な用途
2P30002850〜294036003420〜3530高速ポンプ・ブロワ・高速スピンドル
4P15001425〜147018001710〜1760産業用の標準(ポンプ・コンベア・ファン)
6P1000950〜98012001140〜1180低速コンベア・大型ファン・粉砕機
8P750713〜735900855〜880低速大トルク(クレーン・ミキサ等)
10P600570〜590720684〜705特殊低速用途
12P500475〜490600570〜590特殊低速用途

※ すべりはモーター容量が小さいほど大きく(小型で4〜6%程度)、大容量ほど小さく(1〜2%程度)なる傾向があります。銘板の定格回転数がこの範囲から多少外れることもあります(高効率機は同期速度に近い)。

銘板の回転数から極数を逆引きする

銘板の回転数(例)判定
2850〜2950 rpm2P・50Hz(同期3000の少し下)
3400〜3550 rpm2P・60Hz
1400〜1480 rpm4P・50Hz
1700〜1770 rpm4P・60Hz
940〜990 rpm6P・50Hz
1130〜1190 rpm6P・60Hz
700〜740 rpm8P・50Hz
850〜890 rpm8P・60Hz

※ 「1450/1740rpm」のように併記されている銘板は50/60Hz共用機です。同期回転数ちょうど(1500・1800など)が銘板に書かれることはありません(誘導機はすべりが必要なため)。

よくある間違い

  • 「4P=1500rpmで回る」と思い込む — 1500は同期回転数。実際は全負荷で1425〜1470rpm程度です。プーリ比の計算に1500を使うと数%ずれます。
  • 50Hz/60Hzの違いを見落とす — 東日本と西日本で同じモーターが2割違う回転数で回ります。ポンプ・ファンの能力も変わります(流量は回転数比、軸動力は約3乗比)。
  • 極数と相数の混同 — 「3相4極」の3と4は別の話です。相は電源の種類、極は磁極の数(回転数を決める)です。
  • インバータ低速運転で冷却を考えない — 自冷ファンは回転数とともに風量が落ちます。低速連続運転は減トルク使用・外部冷却などメーカー資料の条件に従います。
  • 同期モーター・DCモーターに同じ表を使う — 本表は誘導機(すべりあり)の話です。同期機はすべりゼロ、DC・サーボは別の原理で回転数が決まります。
  • 逆算で周波数を間違える — 例えば1150rpmを「4Pのすべり大」と読むのは誤り(4P・50Hzなら1400台)。6P・60Hzの実回転です。回転数→極数の照合は上の逆引き表で。

回転数が決まるしくみ

三相交流をモーターの固定子巻線に流すと、電気的に配置された磁極の数(極数P)に応じた速さで回る「回転磁界」ができます。この磁界の回転速度が同期回転数Ns=120f/Pで、fが電源周波数です。2極なら磁界は1サイクルで1回転(50Hzで3000rpm)、4極なら1サイクルで半回転(1500rpm)——極数が2倍になると回転数は半分になります。

誘導モーターの回転子は、この回転磁界より少し遅れて回ることで誘導電流とトルクを生みます。遅れの割合がすべりs(%)で、無負荷ではほぼゼロ、負荷が増えるほど大きくなり、全負荷で2〜5%程度。つまり誘導機は「同期速度に永遠に追いつけないことで働く」機械です。すべりで回転数が微妙に変わるため、正確な速度制御が必要な用途では、インバータによる周波数制御や、すべりのない同期機・サーボモーターが選ばれます。

選定の実務では、負荷が要求する回転数に対して「極数で大きく決めて、伝動(プーリ比・減速機)で合わせ込み、必要ならインバータで可変にする」という三段構えが基本です。極数が多いモーターは低速・大トルクですが大型で高価になるため、4Pを基準に、減速はVベルト・減速機に任せる構成が最も一般的です。定格電流はモーター定格電流のページ、取合い寸法は電動機枠番のページを参照してください。

よくある質問

Q1. 4Pモーターの回転数はいくつ?

A. 同期回転数は50Hzで1500rpm、60Hzで1800rpmです(Ns=120×f/P)。実際の全負荷回転数はすべりの分だけ低く、銘板には1420〜1460rpm(50Hz)、1710〜1750rpm(60Hz)程度の値が書かれているのが普通です。4極は産業用で最も標準的な極数です。

Q2. 同期回転数と実回転数(銘板の回転数)はなぜ違う?

A. 誘導モーターは回転磁界より少し遅れて回ることでトルクを出す原理のため、負荷がかかると同期回転数より数%遅く回ります。この遅れの割合が「すべり」で、全負荷時で2〜5%程度が一般的です。すべり0(同期速度ちょうど)ではトルクが出せません。銘板の回転数は定格負荷時の実回転数です。

Q3. 50Hz地域と60Hz地域でモーターの回転数は変わる?

A. 変わります。同じ4Pモーターでも東日本(50Hz)では約1500rpm、西日本(60Hz)では約1800rpmと2割違います。ポンプ・ファンでは回転数の差がそのまま流量・圧力・軸動力の差になるため、周波数共用機や60Hz専用機など、地域に合った仕様選定が必要です。

Q4. 極数はどうやって見分ける?

A. 銘板の回転数から逆算するのが確実です。1450rpm前後なら4P(50Hz)、2900rpm前後なら2P(50Hz)、960rpm前後なら6P(50Hz)。形式記号に極数が入っているメーカーもあります。回転数が同期速度の近くでどの段に当たるかを本ページの表で照合してください。

Q5. インバータを使えば回転数は自由に変えられる?

A. インバータは電源周波数fを変える装置なので、Ns=120f/Pに従って回転数をほぼ連続的に変えられます(例: 4Pで25Hz運転→約750rpm)。ただし低速では冷却ファンの風量も落ちるため連続低速運転には減トルクや外部冷却の考慮が必要で、定格を超える高速側はモーター・機械の許容回転数の確認が必要です。詳細はモーター・インバータメーカーの技術資料によります。

Q6. 回転数を落として使いたいときの選択肢は?

A. ①極数の多いモーターを選ぶ(6P・8P等) ②インバータで周波数を下げる ③プーリ比・減速機で機械的に減速する、の3通りが基本です。大きな減速比は減速機・プーリ(→Vベルト規格)が担当し、微調整・可変速はインバータが得意という分担になります。

関連する早見表

出典・参考

  • 同期回転数はNs=120×f/Pによる計算値(誘導機の基本式。f:電源周波数Hz、P:極数)
  • JIS C 4210 — 一般用低圧三相かご形誘導電動機(定格・特性の規格)

※ 実回転数の目安(すべり2〜5%)は一般的な傾向を示す参考値です。個々のモーターの定格回転数・許容運転条件は銘板およびメーカー仕様書・技術資料によってください。

最終更新: 2026-07-29