スペック早見表

バリアフリー寸法 早見表(移動等円滑化基準・誘導基準)

バリアフリー法は、床面積2,000㎡以上の特別特定建築物などを建てるとき、建築物移動等円滑化基準への適合を義務づけています。車椅子で通る経路なら出入口80cm・廊下120cm・スロープの勾配1/12以下。義務の基準と、上乗せの誘導基準の寸法を、条文ごとに並べて比べられるようにしました。

♿ バリアフリー寸法 判断即答ボックス

車椅子で通る廊下幅120cm以上50m以内ごとに転回場所
経路上の出入口幅80cm以上誘導基準は90cm
スロープの勾配1/12以下高さ16cm以下なら1/8
スロープの踊場高さ75cm以内ごと踏幅150cm以上
車椅子使用者用駐車施設幅350cm以上200台以下は総数の2%
エレベーター出入口80・奥行135cm乗降ロビー150cm角

このページについて

バリアフリー法(高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律)の建築物の基準は2段階です。建築物移動等円滑化基準は施行令で定める最低限の基準で、床面積の合計2,000㎡以上(公衆便所は50㎡以上)の特別特定建築物を建築・増築・改築・用途変更するときは適合が義務になります(施行令第9条。増築等はその部分の床面積)。建築物移動等円滑化誘導基準は国土交通省令で定める上乗せの基準です。

寸法の多くは、車椅子使用者が通る移動等円滑化経路(道等から利用居室、車椅子使用者用便房、車椅子使用者用駐車施設までの経路)に対して定められています(施行令第19条)。地方公共団体は条例で、対象の規模を引き下げたり基準を付け加えたりできます。

表1: 出入口・廊下・傾斜路(スロープ) — 義務と誘導基準

部位建築物移動等円滑化基準(義務)誘導基準
出入口の幅80cm以上
施行令19条2項2号
90cm以上。直接地上へ通ずる出入口のうち1以上は120cm以上(自動開閉)
誘導2条
廊下等の幅120cm以上、50m以内ごとに車椅子の転回に支障がない場所
施行令19条2項3号
180cm以上(50m以内ごとに車椅子のすれ違いに支障がない場所を設ければ140cm以上)
誘導3条
傾斜路の幅階段に代わるもの120cm以上、階段に併設するもの90cm以上
施行令19条2項4号
階段に代わるもの150cm以上、階段に併設するもの120cm以上
誘導6条
傾斜路の勾配1/12以下(高さ16cm以下のものは1/8以下)
施行令19条2項4号
1/12以下(高さ16cm以下の緩和はない)
誘導6条
傾斜路の踊場高さ75cmを超えるものは、高さ75cm以内ごとに踏幅150cm以上の踊場
施行令19条2項4号
同じ(75cm以内ごと・踏幅150cm以上)
誘導6条
傾斜路の手すり勾配1/12を超え、又は高さ16cmを超える傾斜がある部分
施行令13条
高さ16cmを超える傾斜がある部分の両側
誘導6条

※ 施行令19条の数値は、移動等円滑化経路を構成する部分の基準です。「誘導」は建築物移動等円滑化誘導基準を定める省令(平成18年国土交通省令第114号)の条番号です。

表2: 階段 — 義務と誘導基準

項目建築物移動等円滑化基準(義務)
施行令12条
誘導基準
誘導4条
幅寸法の規定なし140cm以上(手すりは幅10cmまでないものとみなせる)
蹴上げ寸法の規定なし16cm以下
踏面寸法の規定なし30cm以上
手すり踊場を除き設ける踊場を除き両側に設ける
回り階段主たる階段は回り階段でないこと(空間の確保が困難なときを除く)主たる階段は回り階段でないこと

※ 階段の蹴上げ・踏面・幅の最低基準は建築基準法施行令第23条にあります(階段寸法を参照)。

表3: エレベーターと乗降ロビー — 義務と誘導基準

項目建築物移動等円滑化基準(義務)
施行令19条2項5号
誘導基準
誘導7条
かご・昇降路の出入口の幅80cm以上80cm以上。各階に設けるもののうち不特定かつ多数の者が利用するものは90cm以上
かごの奥行き135cm以上135cm以上
かごの幅床面積2,000㎡以上の不特定かつ多数の者が利用する建築物で140cm以上(車椅子の転回に支障がない構造)各階に設けるものは140cm以上、そのうち不特定かつ多数の者が利用するものは160cm以上
乗降ロビー高低差なし、幅・奥行き150cm以上150cm以上。各階に設けるもののうち不特定かつ多数の者が利用するものは180cm以上

※ 義務のエレベーターは、利用居室・車椅子使用者用便房・車椅子使用者用駐車施設がある階と地上階に停止すること。誘導基準の「各階に設けるもの」は誘導7条1項により設けるエレベーターです。

表4: 敷地内の通路 — 義務と誘導基準

項目建築物移動等円滑化基準(義務)
施行令19条2項7号
誘導基準
誘導11条
通路の幅120cm以上、50m以内ごとに車椅子の転回に支障がない場所180cm以上(段・傾斜路の部分を除く)
傾斜路の幅段に代わるもの120cm以上、段に併設するもの90cm以上段に代わるもの150cm以上、段に併設するもの120cm以上
傾斜路の勾配1/12以下(高さ16cm以下のものは1/8以下)1/15以下
傾斜路の踊場高さ75cmを超え勾配1/20を超えるものは、75cm以内ごとに踏幅150cm以上同じ
段がある部分手すりを設ける
施行令17条
幅140cm以上・蹴上げ16cm以下・踏面30cm以上・両側に手すり

表5: 車椅子使用者用駐車施設

項目建築物移動等円滑化基準(義務)
施行令18条
誘導基準
誘導12条
駐車施設の総数が200以下総数×2/100(端数切上げ)以上総数×2/100(端数切上げ)以上
駐車施設の総数が200を超える総数×1/100(端数切上げ)+2以上
幅350cm以上—
位置利用居室までの経路の長さができるだけ短くなる位置—

必要台数の計算例

駐車施設の総数15051100200201300500
義務(施行令18条)11224557
誘導基準(誘導12条)112245610

※ 計算例は条文の式から求めた値です。駐車場を2以上設ける場合は、駐車施設の総数で計算します。機械式駐車場で乗降場所を設けた場合など、国土交通大臣が定める場合は適用されません。

便所 — 施行令14条

  • 高齢者、障害者等が利用する階の階数に相当する数以上の便所を設ける(国土交通大臣が定める配置の基準・除外される階あり)。
  • 便所を設ける階では、そのうち1以上に車椅子使用者用便房を1以上(男女別の場合はそれぞれ1以上)。
  • 設ける便所のうち1以上に、高齢者、障害者等が円滑に利用できる構造の水洗器具を設けた便房を1以上。
  • 男子用小便器を設ける便所のうち1以上に、床置式又は受け口の高さ35cm以下の壁掛式などの小便器を1以上。

表6: 建築基準法の廊下の幅 — 建築基準法施行令第119条

廊下の用途両側に居室がある廊下その他の廊下
小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校の児童用・生徒用2.3m以上1.8m以上
病院の患者用、共同住宅の住戸・住室の床面積の合計が100㎡を超える階の共用のもの、居室の床面積の合計が200㎡(地階は100㎡)を超える階のもの(3室以下の専用のものを除く)1.6m以上1.2m以上

※ 建築基準法施行令第119条は、同令第117条に掲げる建築物(特殊建築物、階数3以上、採光上の無窓居室を有する階、延べ面積1,000㎡超)に適用されます。バリアフリー法の基準とは別の法律の規定で、両方に適合させる必要があります。

間違えやすいポイント

  • 敷地内のスロープも1/12でよいと思う — 誘導基準では、敷地内の通路の傾斜路は1/15以下です。建物内の傾斜路(誘導基準でも1/12)より緩くなります。
  • 高さ16cm以下の1/8をどこでも使う — 1/8の緩和は義務の基準(施行令19条)だけです。誘導基準には高さ16cm以下の緩和はありません。
  • 駐車台数をいつも2%で計算する — 義務の基準は、総数が200を超えると「1%(切上げ)+2台」に変わります。誘導基準は総数によらず2%です。
  • 小さな駐車場なら0台でよいと思う — 端数は切り上げなので、対象となる駐車場なら総数1台でも1台になります。
  • 建築基準法の廊下幅だけを見る — 建築基準法の1.2〜2.3mと、バリアフリー法の移動等円滑化経路の120cm(誘導180cm)は別の規定です。
  • 条例を確認しない — 都道府県・市の条例で、対象の規模の引下げや基準の付加が行われていることがあります。

よくある質問

Q1. バリアフリー法の廊下の幅は?

A. 移動等円滑化経路の廊下は120cm以上で、50m以内ごとに車椅子の転回に支障がない場所が必要です(施行令19条)。誘導基準は180cm以上(すれ違いの場所を設ければ140cm以上)です。

Q2. 車椅子が通る出入口の幅は?

A. 移動等円滑化経路の出入口は80cm以上です。誘導基準は90cm以上で、直接地上へ通ずる出入口のうち1以上は120cm以上です。

Q3. スロープの勾配の基準は?

A. 1/12以下です。義務の基準では高さ16cm以下のものは1/8以下でよいとされます。誘導基準は1/12以下で、敷地内の通路の傾斜路は1/15以下です。

Q4. スロープの踊場はどこに必要?

A. 高さ75cmを超える傾斜路は、高さ75cm以内ごとに踏幅150cm以上の踊場を設けます。

Q5. 車椅子使用者用駐車施設の幅は?

A. 350cm以上です(施行令18条)。

Q6. 車椅子使用者用駐車施設は何台必要?

A. 駐車施設の総数が200以下なら総数の2%(端数切上げ)、200を超えるなら1%(端数切上げ)に2台を加えた数以上です。誘導基準は総数の2%(端数切上げ)以上です。

Q7. バリアフリー法の適合義務の対象は?

A. 床面積の合計2,000㎡以上(公衆便所は50㎡以上)の特別特定建築物の建築・増築・改築・用途変更です(施行令9条。増築等はその部分の床面積)。条例で対象が広げられていることがあります。

Q8. エレベーターのかごの大きさの基準は?

A. 移動等円滑化経路のエレベーターは、かご・昇降路の出入口80cm以上、かごの奥行き135cm以上、乗降ロビー150cm角以上です。床面積2,000㎡以上の不特定かつ多数の者が利用する建築物では、かごの幅140cm以上も必要です。

関連する早見表

出典・参考

  • 高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律施行令(平成18年政令第379号) 第9条・第12条〜第14条・第17条〜第19条 — e-Gov法令APIの現行条文で確認
  • 高齢者、障害者等が円滑に利用できるようにするために誘導すべき建築物特定施設の構造及び配置に関する基準を定める省令(平成18年国土交通省令第114号) 第2条〜第4条・第6条・第7条・第11条・第12条 — e-Gov法令APIの現行条文で確認
  • 建築基準法施行令 第117条・第119条(廊下の幅) — e-Gov法令APIの現行条文で確認

※ 駐車台数の計算例は条文の式から求めた値です。条文の「国土交通大臣が定める場合」の除外や、国土交通大臣が定める構造(車椅子使用者用便房など)の詳細は、告示を確認してください。

※ 本ページは条文の寸法を引くための早見表です。設計・適合の判断は、建築士などの責任で、最新の法令・告示と、所管行政庁・地方公共団体の条例を確認して行ってください。

※ 本ページの表・数値は、上記の出典をもとに当サイトが計算・編集(加工)して作成したものです。出典元の機関・団体が作成したものではありません。

最終更新: 2026-09-27