端子台 早見表|ねじ式・スプリング式の定格と適合電線
端子台(ターミナルブロック)は、電線どうしを中継・分岐する接続部品です。ねじ式・スプリング(プッシュイン)式・ファストン式・組立式の特徴と、定格電圧・定格電流・極数・端子間ピッチの考え方、端子ねじ径ごとの適合電線(mm²)とAWG換算の目安、35mm DINレール取付までを一覧で確認できます。
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このページについて
端子台は、制御盤・分電盤・機器の内部で電線を中継・分岐し、配線を整理して増設や保守時の切り離しをしやすくする接続部品です。接続方式でねじ式・スプリング(プッシュイン)式・ファストン式に、構造で固定形と組立式(DINレール取付)に分かれます。本ページは各方式の特徴と、定格・適合電線サイズを引くための早見表です。
「ねじ式とスプリング式はどう違う?」「M4端子には何mm²の電線が入る?」「AWGだと何番?」「DINレールに付く?」といった、盤設計・機器選定・現場結線でよく出る確認に即答できる構成にしています。数値は代表値・目安のため、実際の適合範囲・定格は使用製品の仕様で確認してください。
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表1: 端子台の接続方式(種類)と特徴
| 種類 | 接続の特徴 | 結線・解除 | 振動耐性 | 主な用途 |
|---|---|---|---|---|
| ねじ式 (ねじ締め式) | ねじで電線・圧着端子を締め付けて固定。大電流まで対応でき汎用性が高い | ドライバーで締結・緩め | 中(要増し締め管理) | 制御盤・動力回路全般 |
| スプリング式 (プッシュイン) | バネの弾性で電線を保持。単線・棒端子は工具レスで挿入できる | 挿入は工具レス、解除はレバー/押しボタン | 高(緩みにくい) | 振動環境・多点結線・省力化 |
| ファストン式 (タブ/差込) | 平型タブに受け金具を差し込むワンタッチ接続。着脱が速い | 差し込み・引き抜き | 中(ロック付は高) | 家電・機器内配線・頻繁な着脱 |
| 組立式 (レール取付形) | 1極ずつの端子をDINレールに並べて連結し、極数を自由に構成する構造 | 接続方式は上記いずれか | 接続方式による | 制御盤の端子列・分岐・中継 |
※「組立式/固定形」は構造の分類、「ねじ式/スプリング式/ファストン式」は接続方式の分類です。組立式の各極にねじ式・スプリング式などの接続方式が組み合わされます。
定格の考え方(4つの基本値)
| 項目 | 意味 | 決まり方・見るポイント |
|---|---|---|
| 定格電圧 | 連続して加えられる電圧の上限(AC/DC) | 端子間の沿面距離・空間距離(絶縁)で決まる。回路電圧が定格以下になるものを選ぶ |
| 定格電流 | 連続して通電できる電流の上限 | 端子・導体の断面と許容温度上昇で決まり、適合電線の最大サイズと連動する |
| 極数 | 1台に並ぶ接続点(端子)の数 | 回路数に合わせて選ぶ。組立式は連結で極数を可変にできる |
| 端子間ピッチ | 隣り合う端子の中心間距離(mm) | 定格・電線サイズが大きいほど広い。盤内の占有幅の見積りに使う |
※ 定格は端子台の種類・製品ごとに異なります。回路の電圧・電流に対して余裕をもった定格の製品を選びます。
表2: 端子ねじ径ごとの適合電線・AWG換算(代表値・目安)
| 端子ねじ径 | 適合電線(より線) mm² | AWG換算(目安) | 参考定格電流(目安) |
|---|---|---|---|
| M3 | 0.3〜1.25 | AWG22〜16 | 〜15A |
| M3.5 | 0.5〜2 | AWG20〜14 | 〜20A |
| M4 | 1.25〜5.5 | AWG16〜10 | 〜30A |
| M5 | 2〜8 | AWG14〜8 | 〜50A |
| M6 | 3.5〜14 | AWG12〜6 | 〜80A |
| M8 | 8〜38 | AWG8〜2 | 100A〜 |
この表はすべて代表値・目安です。 適合電線範囲・定格電流は製品・メーカーにより異なります。AWGは断面積が規格化された別体系のため、mm²とは厳密には一致しません(例: AWG14≒2mm²、AWG10≒5.5mm²)。実際の値は使用する製品の仕様で必ず確認してください。丸形・Y形の圧着端子や棒端子のサイズ選定は 圧着端子の早見表 を参照してください。
DINレール(35mm)への取付
工業用端子台の多くは、幅35mmのDINレール(トップハット形)にワンタッチで取り付ける組立式です。必要な極数だけ端子を並べ、両端をエンドプレートとストッパで固定します。盤内で端子列を増減しやすく、保守・増設に向きます。ねじ止めで盤板に直接固定する固定形の製品もあります。
DINレールの寸法・形状(35mm/15mm、高さ7.5mm/15mmなど)は DINレールの早見表 を参照してください。
使い方・選び方のポイント
使用場面
制御盤・分電盤の設計と製作、機器の内部配線、現場での結線・増設・保守時に、接続方式の選定と適合電線サイズの確認に使います。
選ぶ手順
①回路の電圧・電流を確認し、余裕のある定格電圧・定格電流の端子台を選ぶ ②接続する電線サイズ(mm²/AWG)から適合する端子ねじ径・端子形状を選ぶ ③振動環境・省力化ならスプリング(プッシュイン)式、大電流・汎用ならねじ式を選ぶ ④必要な極数と端子間ピッチから盤内の占有幅を見積る ⑤DINレール(35mm)取付か固定形かを決める ⑥より線は棒端子・圧着端子で端末処理してから結線する。
よくある間違い
- 定格電流の超過 — 回路電流が端子台の定格電流を超えると発熱・焼損の原因になります。周囲温度が高い場合や密着配置では電流を低減して考えます。
- より線をねじ式に素線のまま直結 — 素線がばらけて締め付け不足・隣接端子との接触・短絡・経年の緩みを招きます。棒端子(フェルール)や丸形・Y形圧着端子で端末処理してください。
- 増し締めの未実施 — ねじ式は振動・温度変化で緩むため、指定トルクでの定期的な増し締め点検が必要です。
- 極性・結線順の取り違え — 端子番号・極性(L/N、+/−)を図面と照合せずに結線すると誤配線になります。マークチューブ等で識別します。
- 適合電線範囲外の使用 — 太すぎる/細すぎる電線は保持不良や接触抵抗増大の原因。製品の適合電線範囲内で使います。
端子台のしくみと規格の背景
端子台は、絶縁物の台に導電金属の端子と締結機構(ねじ・バネ・タブ)を組み込んだ部品です。電線どうしを直接つながず端子台を介すことで、配線を1点に集約でき、機器の交換や回路の切り離し・増設が容易になります。接触部の面圧を安定して保つことが信頼性の要で、ねじ式は締め付けトルク、スプリング式はバネの弾性でこの面圧を確保します。振動環境でねじが緩みやすいねじ式に対し、バネで追従するスプリング(プッシュイン)式が緩みに強いのはこのためです。
工業用端子台の一般的な要求事項・試験方法はJIS C 2811(工業用端子台)で、銅導体用端子台はIEC 60947-7-1で体系化されています。これらは定格電圧・定格電流の考え方や絶縁・温度上昇の試験方法を定めるもので、端子ねじ径ごとの適合電線範囲は製品仕様として各メーカーが規定します。したがって本ページの適合電線・定格電流の数値は代表値・目安であり、実際の選定は使用製品の仕様に従ってください。
よくある質問
Q1. 端子台とは何ですか?
A. 電線どうしを中継・分岐するための接続端子を並べて絶縁台に固定した部品です。制御盤・分電盤の内部配線を整理し、機器の増設や保守時の切り離しをしやすくする目的で使います。DINレールに取り付ける形が主流です。
Q2. ねじ式とスプリング式(プッシュイン)はどちらがよいですか?
A. 用途で選びます。ねじ式は大電流まで対応でき汎用性が高い一方、経年・振動での緩みに対して定期的な増し締め管理が必要です。スプリング(プッシュイン)式はバネの力で保持するため振動に強く、単線や棒端子なら工具レスで挿入でき省力化に向きます。
Q3. より線をそのままねじ式端子台につないでよいですか?
A. 推奨されません。より線を素線のままねじ締めすると素線がばらけ、締め付け不足や隣接端子との接触・短絡、経年での緩みの原因になります。棒端子(フェルール)や丸形・Y形の圧着端子で端末処理してから接続してください。
Q4. 端子台の定格電流はどう決まりますか?
A. 端子・導体の断面積と許容温度上昇で決まり、接続できる適合電線の最大サイズと連動します。回路に流れる電流が端子台の定格電流を超えないものを選びます。周囲温度が高い場合や多数を密着させる場合は電流を低減して考えます。
Q5. 適合電線のサイズはどこを見ればよいですか?
A. 製品仕様に記載された適合電線範囲(mm²・AWG)や端子ねじ径を確認します。本ページの端子ねじ径別の表は代表値・目安であり、実際の適合範囲・定格は使用する製品の仕様で必ず確認してください。
Q6. 端子台はDINレールに付きますか?
A. 多くの工業用端子台は幅35mmのDINレール(トップハット形)に取り付ける組立式です。固定形(ねじ止め)の製品もあります。DINレールの寸法・形状は DINレールの早見表 を参照してください。
Q7. ねじ式端子台の増し締めは必要ですか?
A. 必要です。ねじ式は温度変化や振動でねじが緩むことがあるため、定期点検での増し締めが推奨されます。締め付けトルクは製品の指定値に従います。スプリング(プッシュイン)式は増し締めが不要な製品が多いのが利点です。
Q8. AWGとmm²の対応はどうなりますか?
A. 目安として、AWG16≒1.25mm²、AWG14≒2mm²、AWG12≒3.5mm²、AWG10≒5.5mm²、AWG8≒8mm²、AWG6≒14mm²です。AWGは断面積が規格化された別体系のため厳密には一致しません。正確な値は電線規格で確認してください。
関連する早見表
出典・参考
- JIS C 2811 工業用端子台 — 用語・定格・試験方法などの一般要求事項
- IEC 60947-7-1 低圧開閉装置及び制御装置-第7-1部:補助装置-銅導体用端子台(参考)
※ 本ページの適合電線・参考定格電流・AWG換算は代表値・目安です。規格は改正されることがあり、適合範囲・定格は製品ごとに異なります。設計・施工・機器選定の際は、最新の規格原文および使用製品の仕様を必ず確認してください。
最終更新: 2026-07-15